第161話 ◆再び異世界で目覚める
◆再び異世界で目覚める
うっ・・ 痛ーー!
動こうとすると頭と首に激痛が走る。
それに目の前が真っ暗で何も見えない。
ここは、いったい・・・
あっ セレネ気が付いた ←シルフ
セレネ~ ←メイア
ママ・・ 良かったぁ ←ニーナ
ほらね、あたしが言ったとおりでしょ! ←アリシア
にゃっ ←キャロン
声は聞こえるのに、みんなの姿が見えない。
みんな、どこに居るの?
安心してください。 みんな目の前に居ますよ。 ←コリン君
だって、真っ暗で何にも見えないよ~!
セレネ マストから落ちた。 ←シルフ
それも頭から落ちたのよ! 全くバッカじゃないの! ←アリシア
それでセレネさんは、3日間も意識がありませんでした。 ←コリン君
だんだん、思い出して来た。 そうだ、あたしはマストから落ちたんだっけ。
ママは今、首にギブスをしてます。
頭も裂傷があったので、アリシアとあたしが回復魔法で手当てしてから、頭に包帯を巻いてあります。
なるほど・・ それで目が見えないのか~。
あんまり完璧に回復させたら、懲りないでまたやらかすでしょ! だから少しくらい痛みが残るように加減したのよ。
なんだ、アリシア。 そんなところで見栄を張らなくても、まだ未熟で完璧に回復させられませんでしたでいいのに。
あたしは、手当してもらったのにアリシアには厳しい突っ込みを入れる。
な、なによ、あたしよりドジなくせに。 セレネってば、ほんとに生意気よ!
アリシアが痛いところを指摘されて怒っている。
さあさあ、セレネさんも気が付いたことだし、みんな部屋から出て休ませてあげてください。
コリン君はよく気が付く男の娘だ。
・・・
なんだ、向こうの世界に行ってたのは夢の中だったのかぁ・・・
それにしてもリアルな夢だったよなぁ。
でも、こっちで目が覚めてほんとうに良かった。
ほっとしたら、なんだか涙が滲んで来て包帯が少し濡れてしまった。
その日の夕食は、コリン君が温かいシチューを作ってくれた。
セレネ あ~ん。
ん、あ~ん。
まだ包帯を巻いたままだったので、メイアがスプーンで食べさせてくれた。
自分を大切に思っくれる家族と自分が大切に思う家族がここにいる。
あたしは、いまその幸せをひしひしと噛みしめていた。
・・・
次の日、ニーナが包帯を取ってくれたのだけど、あたしは早速ベッドの端をモゾモゾ動いている毛虫を見つけ大絶叫した!
ギャーーー!
これには、いつも落ち着いているニーナも余程驚いたのか、包帯を投げ出して廊下まで逃げて行った。
えっ? この毛虫って裏山の・・・
もしかして、あれって本当のことだったの?
だが、あたしが頭を強打したため、真実がどうだったのかは永遠の謎に包まれてしまったのだった。
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