第107話 ◆メイド喫茶は大繁盛

◆メイド喫茶は大繁盛


いらっしゃいませ ご主人様~♪


メイアは、ノリノリで楽しそうだ。 なにしろいままで働いたことは無いし、お客さんにちやほやするされるのが嬉しいらしい。


見た目と精神年齢に違いがあるので天然娘に見え、そこがまた人気となっている。


美味しくな~れっ♪ 萌え萌えキュンも、あたしが教えてあげたら、こっちの世界で爆発的に流行ってしまった。


オムライスにケチャップでハートを書くだけで大儲けである。 これはもう笑いが止まらない。



ニーナも生まれてからまだ日も浅く、いくら学習能力が高いとはいえ世間知らずだ。


こちらも会話が頓珍漢とんちんかんになるので、お客のマニア心をくすぐるらしい。


そして、こっちの世界にもオタク様はたくさんいるようだ。 まあ、メイド喫茶が繁盛している時点でお察しなのだが。


あたしもが発案したメイドとじゃんけん、あっちむいてホイッも大人気で、ちょっぴり嬉しい。


ニーナも参戦するが、やはりそれなりの能力があるのだろう、全戦全勝負けなしだ。



こんなに大繁盛なら、いっそのこと店舗を借りて自分で経営してみようかとも考えてみるが、この国の滞在期間も限られているのを思い出し諦める。


マスター曰く、メイド喫茶にする前との売上は5倍ではきかないくらいらしい。


どうりで、毎日ニコニコしているのかと思ったら、そういうことらしい。


あたし達もメイド喫茶で働くのが本来の目的ではないので週休3日にしてもらい、商売用の商品の仕入れや積み込みに精を出すことにした。


マスターは最初渋っていたのだけど、要求が通らなければ辞めて他のアルバイトを探すと言ったら、ガックリと膝から崩れ落ち、渋々要求を飲んでくれた。


・・・


モッフルダフに会って話を聞いたところ、フィアスの病気は順調に回復しているらしい。 


この調子なら、あと2週間くらいで出発できそうだと言う。


ちょっと待って、あたし達はまだ、この国のことを何にもしらないよ!


そこでモッフルダフは、この国で一番美しいと言われている水晶の谷という景勝地にぜひ行ってみなさいと教えてくれた。


なんでもこの谷は、谷の全てが水晶石で出来ていて、時間により陽の当たり方でいろいろな色に輝き、まるでこの世のものとは思えないそうだ。


行く行く、絶対に行く!  で、その場所って遠いの?


港町の案内所から、たしか半日に1本は観光用の馬車が出てるから、それに乗って行くといいよ。


申し込みは、案内所でするんだよ。 人数が集まらないとツアーが中止になるからね。


は~い。 モッフルダフ、教えてくれてありがとう~。  だ~い好き!


ホ ホ ホッ


少し怖い思いもするかも知れませんが、きっといい経験になると思いますよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る