第106話 ◆ニーナとメイアのメイド喫茶
◆ニーナとメイアのメイド喫茶
宿に戻るとモッフルダフからメッセージが届いていた。
内容は、宿の隣にあるレストランで明日一緒に朝食を食べよう、ついでにその時にこの国での予定を相談したいとの事だった。
・・・
いままでは、あたしとメイアとシルフで一部屋シングルベッドだったのだけど、ニーナが加わったのでツインベッドの部屋になった。
シルフとニーナの親子、あたしとメイアの組み合わせだとベッドは丁度いい按排あんばいだ。
みんな屋台でお腹いっぱい食べたので、今日は枕投げ大会も開催せずに早く寝ることにした。
この国の事は、モッフルダフがよく知っているはずなので、明日じっくり話を聞いてみようと思う。
港でのメモはきっと役に立つ。
あとはメイアが暴れると厄介なので、ついでに観光地や温泉情報も聞いちゃおう。
あれこれ考えているうちに、いつの間にかぐっすり眠ってしまっていた。
・・・
ガンッ
グェッ
メイアの踵落としが鳩尾みぞおちに入って悶絶しながら朝を迎える。
まったく幼女は寝相が悪い!
隣のベッドを見ると、シルフとニーナ親子のサイズが逆転しているのが不思議な感じだ。
顔はそっくりで、数学の相似形を思い出す。
みんなはまだ寝ているので、先に顔を洗いに行くと洗面所に見たことがない大きな虫がいたので、思わず大絶叫してしまう。
あたしの悲鳴で、他のみんなも飛び起きたので結果オーライだ。
洗面、着替えを終えて、隣のレストランに向かうと、もうモッフルダフが来ていた。
モッフルダフは開口一番、大鮫のフィアスが病気になってしまったので、しばらくこの国に留まると言った。
あたしはフィアスが心配だったが、ゆっくり休ませれば大丈夫だと言われ、少し安心した。
もし、先を急ぐなら自分たちに遠慮せず、あたし達の都合で出国してもらって構わないというが、そんなに急いでいるわけでもない。
モッフルダフに一緒に行くので、あたし達もこの国にしばらく滞在すると伝えた。
それなら、自分の知り合いが喫茶店をやっているので、そこの手伝いをしてくれれば、お店の2階に只で泊めてもらえるし、賄いも出るよと教えてもらう。
長期滞在となるとそれなりにお金も要り様になるので、渡りに船とばかりに早速紹介してもらう。
喫茶店のマスターは、ニーナを見るとニッコリ笑って、ぜひ手伝ってくださいと一発OKだった。
まぁ、ニーナを見たら、誰でも雇いたくなるよな。 ちょっぴり僻む。
そしてニーナとその他ご一行様はニーナの美貌のおかげで、めでたく職、食、住を確保したのであった。
あたし達は、その日の午後にお店の2階に荷物を運び込んで、次の日からお店を手伝うことになった。
・・・
朝早起きして、1階のお店に降りて行くとマスターに喫茶店の制服を渡された。
嫌な予感がしたが、奥の更衣室に行って着替えると、果たしてそれはメイド服だった。
ちぇっ、お決まりかよ!
それでも宿泊費無料と賄い付き、時給は相場とおいしい仕事なので、ぐっと我慢する。
ニーナはすっごく似合っていて、カワキレイ(可愛くて綺麗)だ。
それをじぃっと見ていたメイアが、またしても対抗心を燃やす。
で、またしても変化しやがった。
おぉぉっ! こ、これは結構いい線いってるじゃないか。
ミスなんちゃらと準ミスなんちゃらくらい、どっちも優勝でOKくらいカワキレだ。
しばし感心していてから、はっと気づく。 この二人と比較されるあたしって結構惨めじゃないのかな・・・
マスターは美人メイドが、もうひとり増えて大満足の様子だ。
開店とともに、二人がお店の前で、ティッシュ配りをさせられる。 これって、完全にアキバの○〇〇喫茶じゃん。
で、あたしは食器洗い担当のようなので、マスターの前でほっぺを膨らませて、一応抗議してみる。
そうしたら、ニーナとメイアが休憩の時の交代要員として抜擢されたが、なんだかモヤモヤする。
でも、このあと、二人の可愛いメイドの効果が出過ぎて、お店は超絶大忙しとなるのであった。
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