僕の体の悪魔はいつの間にか消えていた

かぼつ

第1話 先の見えないさよなら


 あるはずのものが、僕にはない。それは、自由であり、友達であり、日常である。多くの人が普段何気なく、時にはつまらないと感じる日々の生活。きっと大人になったら、○○したい!という夢。あの子が好きだなぁと感じる感情。どれもこれも、今の僕には手の届かないものとなってしまった。神様は、「人類はみな平等である」としているが、そんなことは無いと思う。むしろそれならば、もっと整った顔立ちにしてもいいんじゃないかと思う。まったく不公平だ。

 病名は内臓疾患。特に肝臓がよくない。小さいころから食べるのも簡単ではなく、尿をうまく作れない。悪魔が住み着いていると僕は小さい時は感じた。結局、僕はその悪魔によって命を終えるのだが。

 だがしかし、それなりに今まで生きてきて、自分の運命には意外と納得していると思う。いや、それはあきらめかもしれない。そうせざる終えなかったものは永遠に納得できるものではない。3月17日、桜が咲きはじめる今日このころ、たぶん日記を残せるのは、これが最後だという予感とともに、感謝の言葉を残そうと思う。

 お父さん、お母さん、いままでありがとう。

                          将大より

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