第7話 校正作業

 改稿後に校正を行います。

 校閲? 校正? 違いを知らないため、とりあえず校正と思ってます。

 専門の校正者により「誤字脱字、文章上の表記揺れ、文章内の矛盾」などチェックしてもらい、そのチェック結果が是か非かを確認する作業です。

 これを二回行うだけでなく、自分自身、K氏、編集部でも校正を行っているわけでして。ここまでやって誤字が残るなら、それはもう愛嬌かと。


 そんな校正は、『紙』にて実施。

 これまでは全て『電子データ』の作業でしたが、校正に限っては『紙』。A3用紙に書籍形式で印刷された校正原稿を使っての作業。

 最初は『紙』というアナログ手段に意外な印象でしたが、作業しだせば納得。

 原稿に書き込み指摘があり、それを確認し返答する作業なので、『紙』こそが正義! アナログだろうが、最高の手段!

 なお、ここでもやっぱりスタンスの問題があって、校正の指摘を受け入れるか否かは全て書き手が判断することになります。つまり……全部に目を通すわけです。

 さて一回目の校正原稿を頂いて、二回目の校正原稿のチェックが終わるまでに二十日ほどでした。


一回あたりの校正の流れです。

1.校正。

 A3用紙で百数十枚の校正原稿が宅急便で届きます。

 分厚いそれは、歴史資料館で見る「手書き原稿」状態。いろいろと落書きしてあるような、あれです。

 この校正原稿に対し行う作業は二種類。

 ・自分自身で行うチェック。

 ・校正者がチェックした内容に対する是非の判断。

 ちなみにプロ校正者によるチェックは凄いもので、なんと『ニ』と『二』の違いまでチェックされてます! (ちなみに前が片仮名、後が数字)


 具体的な作業としては次の通り。

 ・誤字脱字の校正指摘に対する○×つけ

 ・指摘された矛盾点を解消するための書き加え

 ・校正者が示した考えに対する回答の記入

 ・自分で直したいと思った部分の校正

 原稿を弄れる最終段階なので、その点も念頭に置きながら確認します。

 ここで修正が多かった部分は『ふりがな』のルビ。機械的に正しい日本語がふられるため、校正的には正解でもイメージと違ってしまうわけです。

 たとえば、『炒飯』のルビが『いりめし』なので『ちゃーはん』にしたりとか。


 これを三日で完了。

 出来上がったものが、「著者校正原稿」として扱われます。

 原稿を宅急便の着払いで返送するのですが……宅配受付センターで「もう少し小さいと安くなるよ。着払いだから直しなさい」と世話を焼かれ、ガムテープで直して安くして送付し完了。


2.再校

 著者校正原稿が原稿に正確に反映されたか、といった確認をします。

 ここで問題が!

 原稿は『紙』で動いているわけで、書き込みした校正原稿は送り返してます。そして再校で送られて来る原稿は、それを反映した綺麗な原稿。

 つまり……どこを直したかが分からない!

 仕方ないので、もう一度読み直しながらチェック。

 そして「問題なし」で回答したのですが……後になって修正箇所を思い出し、そこを念入りに確認すると修正ミス発見!

 なんと、差し替え部分が重複反映されている!

 大慌てで連絡して修正して貰いました。


 以上が校正一回あたりの流れなので、これを二回行うことに。

 なお、この時に挿絵が入る位置も表示されます。挿絵自体ではなく、『イラスト』と書かれた白ページですが、これも文章との位置を考えながら微調整します。

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