『池崎さん!もふもふしてもいいですか?』より

わんこと一緒に夏休み ―瑚湖と池崎さん―

【situation】

池崎さんの会社の夏休みに合わせて、瑚湖も休みを取り、わんこ連れ旅行へ来た二人。

瑚湖憧れのペットと泊まれる高級コテージへチェックインして、部屋に入ってきたところ。


*****


「わああーっ!! すごーい!!

カヲルさんっ! 見てくださいっ!

広くて素敵なお部屋……!!」


「本当だね。写真で見た感じより広いよね」


「えーっと。わんこ用の備品は……。

あっ、ちゃんと大型犬用と小型犬用のトイレが分けられてる! フードボウルと、水入れと、コロコロと……。

わ、ペット用のウエットシートまで!

わんこ用の大きなマットレスも気持ち良さそう~!

チョコ太もアリョーナもこれなら快適だねっ♪」


「ココちゃん、ちょっとこっちに来てみて?」


「えっ!何ですか?

……わっ!わぁー!

テラスに部屋付き露天風呂があぁ~✨」


「今日は天気がいいから遠くの山々まで綺麗に見えるね。

せっかくだから明るいうちに一緒に……」


「あっ!そうそうっ!温泉といえば、フロント棟にはセルフで利用できるドッグスパもあるんですって!

天然温泉の成分で毛艶けづやが良くなるらしいし、チョコ太とアリョーナ連れて行ってみません?」


「え。……あ、うん、そうだね。行ってみようか。

……って、ココちゃん、何でそこで寝っ転がってるの?」


「わんこ用のマットレスの固さが気になって。

うん、低反発みたいで寝心地良……え?カヲルさんも??」


「ココちゃん、本当にどこに来てもわんこ一直線でブレないよね(笑)」


「だって、せっかくチョコ太とアリョーナと来てるんだし、この子たちと楽しく過ごせるといいなあって思って……」


「僕と来てることもお忘れなく(笑)」


「……忘れてませんよう。

でも、まだ明るいうちに二人で露天風呂って恥ずかしくて──」


「僕はチョコ太郎やアリョーナみたいにお行儀よくないからね。

“待て” ができないんだ」


「カ、カヲルさ……」


「さ、僕たちがここに寝転がってたらアリョーナ達が休めないよ?」


「えっ、あっ、ちょ……っ。

ここから脱いでいくんですか……?

ん……っ」


「ワン!」


「……あ」


「ワン!」


「そ、その先は……」


「「ワン!ワン!」」


「……僕たちがなかなか場所を譲らないから、チョコ太郎とアリョーナが痺れを切らしたみたいだな」


「……カヲルさんが、こんなとこで脱がせようとするから///」


「じゃ、続きは向こうで──」


「あっ!カヲルさん! 露天風呂がある方、西側みたい!

今日は夕焼けが綺麗そうだから、もう少し待てばお風呂に入りながら眺められそうです✨」


「そう言われてみれば……」


「夕日を見ながら二人で入る露天風呂、きっとロマンチックですよねぇ……✨」


(子犬のようなキラッキラした瞳で見つめられてる……💧)


「……(笑)そうだね。

じゃあ、やっぱり先にドッグスパに行くことにしようか?」


「はいっ!そうしましょう♪

チョコ太、アリョーナ、綺麗になったらもふもふさせてね~!」


「「ワンッ!!」」


(なんだかんだで、最近僕まで彼女に飼い慣らされてるような気がするなあ……)


─おしまい─



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