第3話日常
なぜだか今日だけ異様に早く準備ができたのでいつもより早く学校に着いた。教室に入ると思っていたより人がいる。
さくらちゃんと竹中さんももう来ていた。私は二人のところに行く。
「おはよう。」というと二人とも返してくれた。でも、二人は話題があったのか人気アイドルグループの話ばかりしていて私には全然わからなかった。
私も誰が好きなの?とか聞いてみたりして、かろうじてさくらちゃんが答えてくれるが、竹中さんが何日発売のCDがどうのこうのといったオタクな話ばかりしていて全然ついていけるというレベルじゃなかった。
まぁ仕方ないかと最初は思ったのだが最近毎日、竹中さんは一日中私をほぼ無視してさくらちゃんにアイドルの話ばかりしまくり、さくらちゃんは気を使ってくれるが結局私は話にも入れずニコニコ笑っている。という繰り返しである。
でもまだその時はいずれ竹中さんも打ち解けてくれるだろうと思ったのだが、全然そんなことはなくて、もう一カ月以上続いた。もう私はたいして話もせず二人について回るだけになってしまった。
竹中さんは独占欲が強いらしく、私を除け者にして、さくらちゃんとだけ話したいようだった。体育で二人組を作る時も、真っ先にさくらちゃんを誘いにいき(そのせいで私は一人になってしまった)他に数人のグループを作る時もさくらちゃんだけを誘いに行って、さくらちゃんが私も入れてくれる、という風だった。
最近では私が移動教室の時、トイレに行ってたら置いてかれたり(自分の時は待ってっていうくせに)私が何か話しかけても返事もろくにしなくなってきた。
だんだん私にも限界が来た。
正直、なんなのこいつ、と思っていた。最初は私とさくらちゃんが二人でいたのに私を無視してとってくか?普通。
しかしいじめられていた子にきつく言うわけにもいかないし私にはどうすることもできない。あと約半年耐えるしかないのか。私は何も悪くないのにこの状況。はっきりいって竹中さんがいじめられていた頃の方が居心地良かったのではないか。
ここは竹中さんに直接言おう、と決心した。けど、竹中さんはいじめられていたのだから下手にきつい事を言って自殺でもされてしまったらこちらも嫌だ。そうなるとやっぱり何にも言えない。誰か大人に相談した方がいいのだろうか。でも誰に?なんて言って?よくよく考えたらいじめがあるわけでもないし私がなんとなく二人からそっちのけにされていると感じている、みたいなレベルである。こんな話誰も聞いてくれない。しかもいじめられていた子を悪く言うなんて私にはできない。ああ、もうどうしようもないじゃないか。これについて考えてると苛々してくる!
つまりこうやって私は憂鬱な日々を過ごしていたのである。
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