第31話 綾音さんのかわいい束縛
綾音さんはコメダと言うチェーン展開する喫茶店に行った。
僕は昨日の残りのキャベツと麺で焼きそばを作ろう。
準備をしているとラインの着信音が鳴る。
僕はラインのアプリを開く。
綾音「コメダ着いたよ。結構空いているよ(#^^#)」
僕はカットキャベツを炒め始めていた。
数分がたつ。
麺を投入しようとした時にまた綾音さんからラインが入る。
綾音「返信遅いけど、何をしているのかな?誰か別の人とラインしているのかな(-_-)/~~~ピシー!ピシー!」
前のラインの着信時間を観る。四分だった。
四分のずれも許されないのか?
ちょっとネガティブになるし、怒りもする。
だけど嬉しかった。
ここまで束縛してくれて、愛情をくれる人が居る事に感謝もするし、出会えた運命を喜ばずにはいられない。
急いで返信をする。
「ごめんね。焼きそば作っていたよ。キャベツを炒めていたよ。何通もラインをありがとう。別の人とラインしたりしないよ」
即座に打った。一分もたっていないはずだ。
ラインの待ち時間は主観でとらえられる。
一分内の返信で長いと言われる事もあれば、10分くらい空いてもだ異常な時もある。
だけどこの束縛がうれしい。
ピコン
またラインの着信音が鳴る。
「そうなんだ。忙しい時にごめんね。焼きそば上手くできそうかな?(#^^#)」
どう打ち返そう。
そんな事を考えているとむくむく罪業妄想が立ち上がる。
罪業妄想が始まれば、幻聴はここぞとばかりに出てくるのだった。
神と悪魔を名乗る人格みたいなものを持つ幻聴に苦しめられているのだ。
悪魔「彼女を解放してあげたらどうです?結婚が幸せであなたは幸せな家庭を持てないでしょう?」
神「死ね。彼女を苦しめないために死ね」
死ぬのは怖い。ラインを返さないといけないと思う。
「コーヒー美味しいかな?僕は焼きそばを作るよ。のんびりしてね」
僕は彼女を愛する。そう決めた。結論は揺るがない。
だけどきっと愛の告白はできないのだろう。
ちょっと恥ずかし過ぎる。
続く
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