第22話 ラインと神と悪魔と幻聴と
彼女から2時間たってもラインが来ない。
何かをたずねるにしても尋ねるのも束縛している様で嫌になる。
やはり僕のアイはコワレテイルのかもしれない。
神を名乗る幻聴がささやく。
幻聴「お前は壊れている。死んでお詫びするしかない」
幻聴「誰からも見向きもされないクズなのだからあきらめるべきだな。なにお前のこれからの人生は寂しく死んでい行くだけだ。だからあきらめろ。死ねばいいと思うぞ」
もう一つ幻聴での人格が現れた。
お前は誰だ。脳内で僕は叫ぶ。
「悪魔だよ。被造物は全て神の計画通りに作られた。だから私はお前を苦しめるために表れた悪魔だ。クズは地獄送りにすると言う許可を得た悪魔だ。だから歯向かうな!」
この世界に神も悪魔もあるものか!
僕はキリスト教徒になった記憶もない。
神の幻聴「私はここにこのようにして存在している。だから私は言う事は幻聴では無く正義なのであり正しき愛に寄る導きなのだ」
悪魔の幻聴「悪魔に正しい事を求められてもこまりますな。悪をするために神に作られたのですからね。こんな当たり前の事すら分からないとは滑稽ですね。もちろん君が思いこもうとしている幻聴ではありません。悪魔の正真正銘の言葉です。この世は神によって美しく作られた。あなたはその世界で生きる資格を失ったのですよ。神は無限なる愛そのものです。その愛であなたを殺そうとしています。これこそがあなたに対する神の愛なのですよ」
くっ
俺は幻聴に負けない。
ぴこん
ラインの着信音だ。
僕はうれしくなった。単純な奴だと思う。
「ごめんね。お父さんの晩御飯の支度と洗い物の片づけしていたよ」
僕は即座にラインを返した。
「ラインありがとう。お疲れ様。頑張ったね」
僕はラインのアプリを閉じた。
ぴこん
「順平さんは寝るのかな?」
僕は10時に寝る様にしている。もうそろそろ10時だ。
「一日ありがとう。そろそろ寝るね。綾音さんも早めに休んでね。夜更かしとかだめだよ」
「ありがとう。おやすみなさい」
これから僕の一日にとって最悪の時間帯が始まる。
続く
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