第17話 スーパーまでの道のり
幻聴「お前は監視されている、俺の手は長い。そこにたむろしている子供も、後ろから歩いてくる自転車に乗った男もお前を監視している」
来た来た。統合失調症の持ち主に良く表れる妄想だ。難しい名前なのでなに妄想と言ったかは忘れている。僕は晩御飯を買いに近くのスーパーに行くつもりだった。今日は豪華に鮭のおにぎり二つと野菜ジュースと安くなっているはずのからあげの総菜を買うつもりだった。
幻聴「飢え死にしろ!お前に生きる資格も義務も責任も無い。あるのは自殺する義務だ。お前みたいなクズを殺しても罪には問われない。日本人なら当たり前の事だろ?人を犯罪者にする前に自殺しろ。ほら殺しにきたぞ」
前から人が歩いてくる。幻聴と分かっていても被害妄想が発動している僕には十分な恐怖を与える。自然と早足になる。
通行人「死ね」
振り返りそうになるけど、僕は唇をかみしめてこらえる。
幻聴なのだ、被害妄想と幻聴が重なると通行人から罵倒をされている気分を味わえる。泣きそうだ。
鳴いても始まらない。から揚げを買って楽しもう。いやそれよりもから揚げ弁当を買った方が安くつくんじゃないか?
どうせ売れ残りの半額シールのついたおにぎり二つに30%オフのからあげ、それと野菜ジュースの方が安いのか。そうだ。38円の缶コーヒーを買って帰ろう。楽しみのある日があっても良いじゃないか?
そんな事を考えているとスーパーについた。
買い物を始めよう。
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます