第14話 苦しい
僕はキッチンで洗い物を手早く片付け、生活スペースである部屋に戻る。
誰かに関しされている。
そんな感じがする。
一瞬寒気が走るけど、これは統合失調症の一つだった。
今の僕はそれを知っており、自覚する事ができる
しかし、落ち着かない。
そんな事を考えていると壁の中から声が聞こえた。
幻聴だ。
壁がしゃべる訳はない。
幻聴の厄介な所は耳から聞こえたと脳が錯覚する事だ。
気晴らしに何かしないといけない。
いくら自覚があっても、壁から声が聞こえて、その様子を監視されていると言う感覚は神経を逆なでされて、緊張する。
大丈夫、現実に影響を与える事は無い。
自分に言い聞かすようにした。
幻聴「壁さんが怒っているのを監視カメラで撮っているぞ。早く死ねや。お前がクズである証拠があるんだ。死んでくれ。それが日本社会の役に立つ。それに生きている価値が無いのに生きるなんて犯罪だ。社会の為に罪を清算するために自殺しろ。神の声に従え。くのごみクズ!」
ピコン
ラインがなる。
「ライン無いけど、また幻聴と会話しているのかな?」
僕はアプリを立ち上げると返信する。
「かなりうるさくてね。会話はしていよ。一方的に死ねと言われて困っているよ(笑)」
「笑い話じゃないよ。何か録画した番組でも見るかな?気分転換しよう」
「そうだね。それが良いかもね。録画した朝ドラでも見る?」
「良いよ♪」
「ありがとう。助かったよ」
幻聴「天下万民の為に自殺しろ!残念な事に生きている資格は無い。ただ飯を食いテレビを観るだけの生活をして恥ずかしくないのか?」
「うるさい!」
とうとう僕は叫んでしまった。
後悔を打ち消す様に僕はテレビをつけるのだった。
続く
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