第8話 愛情と束縛

綾音さんはいつも僕を励まして話を聞いてくれる人だ。返信は長文を好み三分以内にラインを返さないと怒る人で束縛がすごい。直ぐに何をしているか聞いてくるのだった。それは壊れた僕も同じで即座にラインを返して欲しいと思っている。お互い愛情なのか束縛したいのか良く分からなくなっている。

幻聴「分かれてあげろよ。何が最後の恋愛だ。お前は彼女を独占して支配したいだけ。お前の愛は壊れている。そもそも愛とは相手の心を受け入れる事だ。お前は相手を束縛して偽の愛を手に入れたいだけだ」

うるさい

うるさい

うるさい

ピコン

またラインの着信音が鳴る。

「本当に大丈夫かな?」

彼女からのラインに少しいらっとする。

大丈夫だと言っているのに。

幻聴「だからお前は相手を愛していないのだ。そもそも綾音さんを幸せにできるのか?その力も無いくせに!働けよ。豚。無能者には仕事はできないか!早く死ねよ」

「心配してくれてありがとう。ちょっと辛いけど大丈夫だよ。雑なラインになってごめんね。綾音さんは幻聴とか大丈夫かな?」

確かに僕は生きている理由は無いと思う。だけど綾音さんの助けになればそこには生きている意味ができると思う。だから生きていたい。僕は生きる!

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