第6話 依存と希望

綾音さんとは統合失調症のサイトで知り合った仲だった。僕にとってとてもとても大切な人。

幻聴「ただ依存し合うだけの仲。誰も救われない。無駄なことはやめろ。由夏ちゃんを紹介してやるぞ」

由夏ちゃん「いやや、こんな男」

そうだろう、そうだろう。僕は内心そう思う。それにしても幻聴を話す一人格である由夏ちゃんだけどどこから出てきたのだろう。由夏ちゃんなんて知らない。

返信しないと、幻聴の言う通り、お互いに依存している。厳密な医学用語として正しいか分からないけど共依存と言う状態だと思う。

綾音「返信ないけど大丈夫、寝ぼけているのかな?」

まだ2分しかたっていない。

僕「ごめんね。起きたばかりで反応が遅れたよ。おはよう。珈琲飲んでみるね」

ラインの文面を急いで打ち返した。

幻聴「止めとけ。由夏ちゃんの方がかわいいから」

嫌だね。絶対会えないのは由夏ちゃんも綾音さんも一緒。

綾音さんと会えないのはお金がないだからだけど。

綾音「本当に大丈夫。まだ寝ていたらどうかな?」

「もう起きたよ。睡眠障害のせいで眠れないからね。ラインありがとう」

綾音「こちらこそラインありがとう。一日よろしくね」

唯一知り合えて、共感し合える仲だった。

ころだけのやりとりだけど、生きる希望がわいてくる。

僕も希望を与えて入れればうれしく思うのだけど。

さぁ起きよう。

今日一日が始まる。

                            続く



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