第三話 希望

朝食のバナナを食べ終わると僕は部屋に戻り、横になる。正直、睡眠薬の効果が残っていて体が重たい。そうすると襲ってくるのは幻聴だった。

幻聴「働かず食って寝る。良い身分だな、ゲス野郎。早く死ねよ」

どうして僕の事をここまで幻聴は否定するのだろうか?

僕自身の言葉なのだろうか?

幻聴「オマエの言葉じゃない。俺は神の声だ」

でも生きていたい。

幻聴「どんな人間も生きるために一生懸命働いているんだ。それもできないくずは死ねよ。このゲス野郎」

たぶん僕が僕自身を認めていないからこんな言葉なるのだろうか?

生きていたい。

だけど自分を認められない。

幻聴「だから死ねよ」

社会に復帰できるほど体力も能力も回復していない。

忍耐だ。

幻聴「良い良いわけだな。どんな重たい病気の人でも生きたいと思っている。だけどオマエは別だ。死ねよ」

僕も生きたいと願っている。

誰かに認めて欲しいだけなんだ。

だから誰かに言って欲しかったんだ。


あなたは生きていても良いんだよって


                                   続く

 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る