第5話 バスに乗って

 この話は、小学校3年生の時の話です。


 7月30日、私は姉と二人で『オカンの誕生日プレゼント』を買いに出かけていました。

 その道の途中、長い信号に引っ掛かってしまい信号を待つことに。

 しかし、何を思ったのか、待ち切れなくなった私は、


イケル!(☆o☆)


 などと思い、幅20mほどある道路を横切ったのです!

 当たり前のように車に引かれ、1mほど飛ばされました。


 ですが、痛くも痒くもなかったんです!


 起き上がって、この場を立ち去ろうとしたら……みるみる大人たちが寄って来て、


「今は、何ともないかも知れないけど、後で悪くなるかも知れないから、救急車が来るまで寝ときなさい!」


 その言葉に、体の心配や飛び出したことへの反省よりも、


 救急車かぁ、乗ったことないなぁ(^^)


 などと思ってたんですが、そこに現れた大人の一人が……


「あ! ロン君やないか!」


 私は心の中で、親にバレることを心配しました。

 勿論、それは自分がイケナイことをしたんだと認識していたからです。


「ゲ! 親にバレる!っていうより……オッサン、誰?( ̄- ̄?)」


 そして、救急車で運ばれレントゲンを撮りましたが、特に何も有りませんでした。


 結果を待っている間に、恐らくオッサンから事情を聞いた親父が現れ……

「お前なんか、死ねばよかったんじゃー!」と、カナリキツイお叱りを受けました。

 子供ながらに「悪いのは自分やけど、言い過ぎやわ」と思ったものです。


 その後、警察に行き事情徴収を行うために、現場へ向かうのですが、その時、私はワクワクしていました。

 なぜなら、一人の警察官が「パトカー回して来て」と言ったからです!


パトカーに乗れる!o(><)o


しかし、数分後。


「パトカーみんな出てないわ! バスで行こうか?」


 秘かに、ショックでした。(ToT)

 そして、バスへと向かったんですが……


「こ、こいつが……バ、バス!?」


 そのバスと呼ばれる物の窓枠には、金網と鉄格子のような物が!

 それは、紛れもなくレア中のレア!


護送車やん! \(^o^)/


 喜んだのも束の間。

 事情徴収は、なんと4時間も掛かりました。


 私は、心の中で何度も、


「ワシ生きとんねんから、もうえぇやんけ!(ToT)」と、叫んでいました。


 また、その日は……大切な「侍ジャイアンツの最終回」があったのです!


最後の魔球がぁぁぁ!(ToT)


 またいつか再放送で観れだろうと諦めましたが、まさかその最後の魔球を見るのに、10年以上掛かるとは、この時の私は知る由も無かった。


 事故から、一週間ほど経って。

 相手から、罰金の1万円が送られてきました。

 私は突然の「お小遣い」に喜んでいたのですが、親父が、


「こういうお金は、お前の為にならない! これは寄付する!」


(ToT)


 そして、再び警察へ。

 受取のサインとして、拇印をするんですがね。

 私の親指を抑えつけた警察署長の方が、車に当たった時よりも痛かったです。

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