ワタシテイスト

上着の透けた素材を通り抜ける風すらもなく、ねっとりとまとわりつく空気が一つ一つ身体の穴を塞いでしまって、もしかしてこのまま、外へ出られなくなった息と一緒に沸騰しそうな血液や跳ね回る筋肉まで、私の中でどろどろになってしまうんだろうかと思った。息をしなくなった身体はもしかすると、カラカラに乾いて硬くなるかもしれない。そんな私が砕けなければ、どろどろはずっと身体の中でたぷんたぷん、緩やかに波打つのかもしれない。アルコールを封じこめたチョコレートみたいにいつか溢れ出る時に美味しくなっていると良いのだが、と思うのは舌が痺れてせっかく食べているソーダバーの味がよく分からないからだ。

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