刹那のおと
パタ、タタタ。タン、タン、パタッ。雨粒の弾丸、とでも言おうか。無作法に、荒々しく、我儘な質量で呼んでくる夏の滴を無視するでもなく聞き流すでもなく、私はそれを真似て筆尻で机をノックする。カッ、コツコツ。コン、コン、カツ。硬質なリズムはおよそ雨音には似ず、暴力的でもやはり当たれば撥ねる水ということならば、存分に鳴くのも仕方がない。もう暫し、この水檻に囚われていてもよかろうと、私はペン先を仕舞ってそっと窓硝子に耳を寄せた。
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