第10話 第三のコンビニ
遭遇率 ?
今日は第三のコンビニについて語ろう。
この、家から三番目に近いコンビニは、二番目に近いコンビニとは逆側で、一番近いコンビニのすぐ近くにあるが、幹線道路を越えて完全に工業地帯側に存在しているため、立地条件的にはあまりよろしくないと言える。
実際、私もほとんど行く事はない。
しかしこの第三のコンビニは深夜になると周囲一帯のコンビニの中で一番賑わうのだ。
ちなみにうちの家は工業地帯と商業地域と一般地域の緩衝地帯とでも言うか、色々と混ざっている場所にある。
混ざっているとは言っても、ほとんどが工場と社屋で、残りもその従業員の住宅などなんだけども。
さて、何故そんなにこの第三のコンビニが人気なのか、詳しい事は分からないが。
どういう層が利用しているのか、というのは簡単だ。
主にトラック運転手である。
深夜になると、このコンビニには大型トラックが集まってくる。
彼等は昼間にもそこそこいたりするが、夜の方が圧倒的に多いのだ。
そして広い駐車場にトラックを停めて(恐らく)仮眠を取っている。
コンビニ前の国道は近隣の大都市と大都市を結ぶ主要幹線道路でトラックの通行が多く、更にここの工業地帯から出入りするトラックも多い。
要するにトラックの通る数自体は元々多いのだが。
しかし何故、ほぼ似たような立地にある第一のコンビニがあまり使われないのか、それは謎だ。
具体的に言うと、同じ通り沿い、十字路の対角線上にあると言えば分かりやすいか。
場所や駐車場の大きさなど、ほぼ同じと言っていいはずなのに、ほとんどの大型トラックが第三のコンビニの方を利用して、第一のコンビニを使わないでいる。
何らかの理由はあるはずだが……。
ちなみに、このコンビニの事を三番目に近いコンビニと呼んでいるが、恐らく直線距離だと三番目に近いコンビニの方が二番目に近いコンビニよりも家から近い。大きな通りを複数横断しなくてはならない事など面倒な事が多く、時間的には多くかかってしまうため、私はそう呼んでいる。
決して、これを書く時にイメージで二番三番の順位付けをしてしまって、後でグーグルマップを見て逆だという事が判明してしまうが、時は既にお寿司で後の祭り。今さら取り消せないので適当にそれっぽい言い訳を後付けで考えたなんて事は断じてない。
さて、この謎についてだが、一つ考えられるのは第三のコンビニの周囲には民家がない事だろうか。
コンビニに停まっているトラックは、夏場と冬場はエンジンかけっぱなしな事が多い。当然、エンジン音がそれなりにあるわけで、周囲に民家があれば苦情も半端ない事になっていただろう。
よく考えてみると、第一のコンビニの周囲にはいくつか民家があり、第三のコンビニの周囲には民家がない。
そういう状況が影響しているのかもしれない。
こういう現象は社会学や心理学、行動学などの観点からすれば面白い題材なのかもしれない、と思った。
第三のコンビニについては、これからも観察が必要だ。
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