7. ドラゴンの行方

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親愛なるフロア嬢

あなたの家で先ほどドラゴンを見つけたので引き取りました。

知っての通り、ドラゴンとの接触は厳罰に値するものであり、僕にはその罰を行使できる権限があります。しかし、愛するあなたの命を脅かしたりなんて僕はしません。もし僕の側室になってくれるというのならば、国へは親とはぐれたドラゴンを見つけたとだけ伝えましょう。今日中に我が屋敷にきて、返事をお聞かせくださいな。お待ちしていますよ。

ジャン・R・イース

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書かれている手紙の内容に驚愕するフロア。


「そんな―――」

「側室ね・・・で、どうするんだ?」

「ど、どうって・・そんな、私――――――」

「悩む余地あるのか?さっさと側室になっちまば死にはしないんだろ。」


ウィンの問いかけにフロアは静止した。


「何言ってるんですか!?誘いを受けても受けなくてもクウちゃんは処分されるってことですよ!母が他界して、父がいなくなってしまった今、私の家族はクウちゃんだけなんです!自分の命が何だっていうんですか!?」


激高するフロア。ウィンはただ静かにその訴えを聞いた。


「ウィンさん、お願いがあります。」

「・・・なんだ。」


深呼吸をしてフロアは落ち着いた。その眼には静かに、しかし力強い意志が宿っていた。


「子爵の屋敷へ行って、クウちゃんを探します。絶対に屋敷から逃がして見せるので、誰にも見つからないようにクウちゃんを引き取ってください。そして、反乱軍のもとへ連れて行ってあげてください。」

「・・・・・できるのか?」

「やってみせます。」

「死ぬぞ。お前。」


厳しい口調で告げたウィンにフロアは答えた。「それでもかまわない」と。暫く沈黙をした後に、ウィンは言った。


「ならしかたねえ。お前の覚悟は理解した。クウは俺が責任をもって反乱軍へ連れていく。」

「ありがとうございます・・・・!」


フロアは頭を下げた。たった数日前に会ったばかりの他人であるウィンを信用するしか彼女にはなかった。この判断を後悔することがないようにただ祈るばかりあった。


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