第14話朝陽とコーヒー

 玄関を出ると朝陽が瞼の裏側まで入ってくる程の爛々とした黄色い眩しさを感じた。

 私の若返った素肌はその光を反射しピンク色を内部にオレンジ色を外部に反射する。

 私のピチピチとした体は骨のつなぎ目がするすると動く。私は歩き出した。

 膝の下まであるスカートがひらひらと歩く度に向かい風で揺れる。足元はスカートのひだで陰になり薄い黄緑の虹彩を内側から放つ。

 私はしばらく歩いていくと家の近くにある自動販売機に辿り着いた。そこでまたコーヒーを買うことにした。

 どうやら味覚も変わっているようで甘い缶コーヒーが飲みたくなった。私はポケットから財布を出し。コインを入れると冷たくなった甘いカフェオレが出て来るスイッチを押す。

 ガタリと音がして自動販売機の底に缶が落ちてきたのが分かった。私はそれを取り出しプルトップを開けてゴクリと喉を鳴らしながら一口飲み込む。口を離してみると缶は汗で僅かに濡れいている。

 甘く芳ばしいコーヒーの香りが息をする毎に出てくる間(つまりは飲んでいる間)私の左手は宙ぶらりんでぶら下がっており、右手は缶を握り口へと運び続けていた。

 やがてそれも飲み終わるとゴミ箱に缶を捨てまた歩く。


 私は駅前の喫茶店で小説の続きを書くことした。その為にカバンに空色のシャープペンシルと白色のノートを持ってきている。

 喫茶店に着きブラックコーヒーを注文する。

 それを手に取り席につくとコーヒーを一口すすった。味はまろやかで刺々しさがなく何杯でもいけるような気安さと心地よさがあった。

 カバンから文房具を取り出すと、早速私は小説を書き始めた。

 店内の朝、窓から入る陽射しと店内の電球色の明かりのなか、書き進める。

 他の客はノートパソコンを広げてキーボードに何か打ち込んでいたり、タバコを吸っていたり、やはり私と同年代の制服を着た学生のような子(私の今の服装は制服ではない)が朝食のサンドイッチを食べたりしていた。私もここで朝食を摂ればよかっただろうか。今度来た時食べてみよう。そんなことを思ったりしながら小説をするする書き進める。

 ちょっと進めては読み返し、誤りがないか確認する、コーヒーをすする。その繰り返しを続けていく。

 コーヒーを飲み干したことに気が付き店員にお代わりを注文する。時計を確認すると午前九時であった。まだまだ朝だ。のんびりいこう。

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