カレンダー

「それで、入学式はいつなの?」

「えーっと…9月1日…

え…今日何日?」


その問いと共にキョウヤを見るが

キョウヤが知るわけもなく、首を振るという答えが返ってきた

そのやり取りに驚いたのは、勿論ミナミだ


「えぇ!!?今日が何月何日か分からないの!!?」

「いや、月は分かるよ

確か、ギルドに申請した時が8月27日だったから

とりあえず、まだ月は変わってないから8月…

って事だけは分かる!」

「それ、ギルド申請の時に受付の人が日時見せてくれるやつで見たんでしょ…」

「その通り!スッと見せてくれたから助かったよね!

でも、その後依頼受ける時とかは、特に出てこなかったし

んでもって、依頼とかは残り何日って出るだけだから

日付とか特に気にしてなかったんだよねぇ~」


そう、今まで生きていく中で、日付が分からずに困る…

という事に至っていないため

簡単に言うと…忘れ去られていたのだ…


「もぉ!そーゆうのもしっかりしてないと困るよ!」

「えぇ~…でも、時計とかはあるのに、カレンダー的な物は無いんだから

仕方ないじゃん…んな一日一日…『あ、今日は○○日だ』って

そんなの考えてないし…」

「カレンダーなんて、あるわけないじゃん!

だって毎年同じだし、全月60日だし

何も変わらないのに、カレンダーなんていらないでしょ?」

「…た…確かに…」


そう前の世界とは違い、月によって30日や31日と変化があるわけでもない

閏年があるわけでもない…

言ってしまえば、何も変わらないカレンダーが出来上がるのだ


「週10日が6週間ある…それが60回あるだけだからねぇ

向こうと違って、曜日も祝日も無いから、特に必要性も感じないし…」

「いやでも…時計みたいにインテリアで…」

「えぇ~…向こうの世界と同じ感じでやったら、60枚になるんだよ?

2ヶ月セットにしても30枚だよ?

多すぎじゃない?」

「…う…まぁ、確かに…

で、でも、むしろ一緒なら月だけを変えれば良いんじゃ…」

「ん~…まぁ、インテリアにはなるかもだけど…

『日時』って言えば…ほら」


ミナミの前には、ステータス画面のような透明な板がある

そこには、日付と時間が表記されていた


「こんな簡単に出てくるんだよ」

「…ま…どう頑張っても必需品には、ならねぇ気はする…」


実際に見てみて、ユウキは売れる可能性の低さに苦笑いした

手軽に確認出来るのに、カレンダーが必要とされるか…

と聞かれれば『否』だろう

時計と違い、確認する回数も少ないし

パッと見て分かる所は良いかもしれないが

カレンダーはなかなかにデザインが大変そうだ


「この入学式に行ったら、毎日学校かぁ~」

「まぁ、仕方ないだろう…学生なんだしな…」

「えっとさ…毎日は学校無いよ…?」

「ぇ…あぁ!まぁ、土日みたいに休みの日は無いと困るよね~」


確かに本当に毎日学校だと大変だ

だが、休みの日がある事は知っているので

ユウキとしては、平日…というのがココにあるかは分からないが

とにかく休み以外の日を全部学校に…という意味で使っている

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