主張してきた理論
「まぁ、簡単に言えばココでその言葉は聞いてない
…と、なれば、何処で聞いたと思う?」
その言葉に、心当たりがあるのか
男達は急にオドオドし始める
「俺達は、お前らが言ってる時に直接聞いたんだよ!!」
「つまり、僕達はあの場面の目撃者…いわば証人…ってやつだよ」
ニッコリ良い笑顔で言い放つグレイヴ
完璧にディアナの言う、美味しい部分も持って行っているが
このセリフは、この4人のうちの誰かが言わなければ
目の前の男達には効力が無いため、ディアナも特に文句は無いらしく
黙って聞いているだけだった
一方、男達は目に見えて動揺し始める
「な…なっ…い、いや!あの時、アンタ達…あの場にいなかったはず!!」
「あぁ…そりゃコレを被ってたからだろ?」
そう言ってグラスタはインベントリから茶色い布を取り出すと頭から被る
そう、あの時ディアナの護衛としてあの場にいた姿になったのだ
そこまでお膳立てをされると、流石の男達も理解出来たのだろう
2歩…3歩と後ろに下がる
「僕達4人は、少し離れてはいたが現場を目撃し
会話もしっかり聞いていた…特に君達の声は大きいからよく聞こえたし」
グレイヴの言葉にまた一歩後ろに下がり…
「さぁて、アンタらの理論で考えると…俺ら4人とディアナさん…
大人5人がこの号外を真実だと言ってんだからさぁ~
俺らの言ってる事が正しいよなぁ?」
ルヴィアの言葉に更に一歩下がり…
「これで違うと言ったら…お前らの理論がオカシイって事になるが…」
アルフィードの言葉に更に2歩後ろに下がり
「まぁ、記事書いた本人を数に入れるな…っていう事くらいは聞いてあげるけどねぇ?
でも、それを抜かしても大人4人…こっちの方が数は多いのよねぇ?」
もう、こちらにしか傾いていない天秤に、ニヤリと笑うディアナ
いやそもそも、ココに乗り込んだ時点で男達の負けは決まっていたのだ
今更どう足掻いてもそれは覆らない
「あんだけ主張してたんだ、状況が変わったから変える…わけねぇよな?」
最終的にグラスタに睨まれ、ついに後ろを向きドアに向かって走り出す…
が…
「町の規約に反した者は、この3名で間違い無いか?」
いつの間にか現れた、憲兵によって捕縛されていた
「はい、間違いないです!」
「ぐっ…な、何で憲兵がこんなとこに…」
「分かりませんか?アナタ方が来た時点で通報は終わっていたんですよ」
今まで奥に控えていたルーザが答える
そう、通報は入ってきた時点でされていたのだ
逃走防止のために
まぁ、思いのほか逃走を企てるまでに時間を要したが…
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