強化の結果

「よーし!張り切って卵集めるぞ!!」

「おぉ!…ってどんだけ集めるつもりだ?」

「ん~?…とりあえず…この近くにいるの全部倒したら良くね?」

「いや、多いだろ!!!?」

「ん?そーか?」


ザッと見た感じ100はいないだろう…

80いるか…ぐらいのコッコがあちこちで、餌か何かを突いている


(…あのサイズなのに、食べてるのって、草とか虫なのかな…?)


草は膨大な量があるので、大丈夫ではあるだろうが…

しかし、大きさと餌のサイズ感のギャップに疑問しか湧かない


「まいっか!さてと、さっさと狩るぞ!」

「はぁ…」


ユウキの全部狩る…という宣言は撤回されぬまま

討伐依頼40匹の倍程を狩る事が決定事項になってしまった


「強化してるんだから、一人でちゃんと倒してよねぇ~

まぁ、無理だったら、僕の所に来なよ」

「はっ!楽勝で倒してやるよ!」

(…強化されてんだから、楽勝…ではないんだけどね…)


別々に倒した方が効率良いので

ユウキは分かれて戦闘する事を選んだ

全ては、いかに早く卵を沢山手に入れるか…

ただただ、それだけのために

キョウヤは剣を取り出し、ユウキは銃を構える


「あれ?お前、そんな武器持ってたか?」

「昨日作った!」

「…あっそ…」


自分から聞いたくせに、素っ気ない返事を返したキョウヤは

近場にいるコッコに狙いを定める


(…どんだけダメージ与えられんだろ…)


キョウヤの脳裏に浮かぶのは、ブラウンボアとの闘いだ

1回の攻撃で微々たるダメージしか与えらない

今回も同じような数字だったら…

20回以上攻撃しなけらばいけない…という事になる


(くそっ…アイツみたいに攻撃力が出せれば…)


フッと視線をユウキの方へ向けると…

パンパンパンッと連射して

1匹につき750ダメージを与えている姿が見られた


「ほらな一撃で…って…750って何だよ!!!?」

「何キョウヤ…750くらい普通…」

「それはお前の普通だよ!

200しかHP無いのに550多く食らわせ過ぎだろ!!」

「だってさぁ…銃のスキル欲しかったんだもん」

「いや『だもん』じゃねぇよ…」

「良いじゃん、倒せてるんだし

んで、これ続けてたら、連射とか取得出来そうじゃね?」

「…そりゃ…そーだけど…」


キョウヤは納得いかない…という表情で、ユウキを見る

まぁ、それもそうだろう

攻撃しても、またダメージが1桁なんじゃないだろうか…

そもそもダメージを与えられるか…と悩んでいる横で

2桁どころか3桁で、むしろ過剰攻撃なんじゃないか…

とさえ、感じる数字を叩き出しているのだから


「…もしかして、僕が見てないと心配なの?」

「っ!!?んなわけねぇっ!!

見てろ、コッコくらい一人で倒してやるからなっ!!!」


そう言ってしまったら、もう後戻りは出来ない

目の前で一生懸命地面を突いているコッコを見据える


(ま、頑張れよ

今、強化と武器を合わせて、攻撃力1820あるからな…

僕だったら1670って、かなり高い数値が出るはずだけど…

キョウヤなら500出れば良いかな…

てか、ブラウンボアの時、剣持って無かったよな…

意外と強化ナシでも、ギリギリいけたかも…?)


ユウキがそんな事を考えているなんて知らないキョウヤは

覚悟を決めて、コッコに切りかかる


「はぁぁ!!!」


ザシュッ…と切った結果…


「…マジか…」

「うんうん、予想範囲内なんだね」


コッコの上には550が浮かび上がっていた

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