攻撃力を何とかできないか

「ま、もしダメージ無かったら、ドロップ品回収していってよ」

「はぁ!!?お前な、俺に雑用だけやらすつもりか!!?」

「いや、もしダメージがなかったら…だよ

その時は、それくらいしか出来なくね?」

「っ…」


ユウキの言う通り、ダメージが与えられなければ

それくらいしか出来る事が無い

ダメージを与えられないという事は倒せない…のだから

倒さないとドロップ品は出ないので

必然的にそうなるのは仕方ないのだが

それはそれで、キョウヤのプライドというものが許さないらしい


(ったく、急に攻撃力上がるわけじゃねぇからな…

レベル上がれば100は上がるだろうけど……

ん…?ちょっと待てよ…)


思考を巡らせているうちに、ハタッと何かに気が付いたらしい

おもむろに、紙とペンを取り出して座り込むと

地面を机代わりに、紙に丸を描きだす

キョウヤはと言うと何が始まったのか分からず

ただユウキを見ている他なかった


「そうだよ、コレをすれば良かったんだよ

何で気付かなかったんだろ」


魔法陣を描き終えたユウキは、ゆっくり立ち上がると

キョウヤ視界にとらえる

見られているキョウヤは、何が何だか分からず、首を傾げる

多分、説明されたら分かるであろうが

当の説明する側のユウキに説明する気が無い


「魔法発動、攻撃力強化」

「っ!!?」


ユウキは魔法を発動させた瞬間

キョウヤの周りが光りだし、キョウヤは腕で目を守る

そして、しばらくすると、光は自然に消えて行った


☆補助魔法:攻撃力強化を獲得しました☆


「今のは一体…」

「攻撃力を強化する魔法だよ

ほら、よく補助魔法的なものであるでしょ?」

「…あぁ…確かに…そういうの…あれ知ってたっけ?」

「…いや、キョウヤの中に知識があるかどうかは、僕知らないから…」


今起きた事に、混乱しているのだろう

自分自身が知ってるかどうかも、分からなくなっているようだ


(特に数値はイメージしてなくって、漠然と強化…ってしたけど…

どれぐらい強化されてんだ…?)


―◇―ステータス―◇―


キョウヤ・タニガワ


年齢:14歳

身長:158㎝

体重:47㎏

   

レベル:2

職業:冒険者

才能:多趣味・好奇心・天才児・運動神経抜群

神様スキル:インベントリ・鑑定眼・メイキング

戦闘スキル:格闘術(1)・連続パンチ(0)

生活スキル:採集(2)

HP:300

MP:300

攻撃力:300+500

魔法攻撃力:300

防御力:300

魔法防御:300

力:300

素早さ:300

命中率:300

運:300


―◇―  終  ―◇―


「いやいやいやいや…補助の方が強いってアカンやろ!!?」

「はぁ?」

「キョウヤの攻撃力、300に今の補助で500追加されてる…

メインより補助の方が数値デカイって…もう補助じゃねぇよ…」

「…お前がしたんだろ…」

「…そうだけどさ…」


漠然とかけたからだろう、数値はユウキが予想しているものより

大幅に高くなってしまっていた

これでは、どちらがメインの数字か分からない


(てゆーか、こういうのって、基本元々の攻撃力より高くならないんじゃねぇの?)


そう内心文句を言うが、実際にそうならなかったので仕方がない


(…次からは、ちゃんと数字も考えて強化しないとな…)


低い分には困るが、高い分には困らないので良し…

という事で、思考を切り替え目の前にいる魔獣を見据える

鑑定画面には、アクティブとは表記されていなかったので

取り囲まれる事は無いだろう

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