情報不足

「さてと…どのクエスト受けるか決めようか」

「そうだな」


オバちゃんを見送った2人は再び掲示板へと目を移す

沢山ある依頼の中から、特定の物を見つけるのは難しい


(まぁ、最悪、コッコとタンクは別で探せばいいんだけど)


別にクエスト以外の魔獣を倒してはいけない…わけでもないので

コッコとタンクを探しながら

ついでにクエストの討伐をしても問題ない


「お、あったぞ!」

「どれどれ?」


ユウキが下側から、キョウヤが上側から探していると

キョウヤが見つけたらしく、2枚の紙が握られている


「えーっと…コッコの肉20個とタンクの肉10個かぁ

あと、他にはないかな?

どうせなら、同じ魔獣のクエストとって、同時進行でクリアしたいし」

「あー…どうだろうな」

「あ、こっちにあったよ、コッコの討伐依頼…40匹と

タンクの討伐依頼…60匹

あとさ…大事な事に気付いたんだけど…」

「ん??」

「…コッコとタンクが牛乳と卵以外何ドロップするか分からねぇ…」

「…」


2人は無言でお互いの顔を見る

そう、ユウキもまだコッコとタンクは鑑定していないから

ドロップ品の情報を持っていないのだ

そして、鑑定なんて早々しないキョウヤが勿論知るわけもなく…

唯一知っているであろう、ミナミは家にいる


(そして…最悪、卵と牛乳が違う名前だと分からんという事なんだよね…)


今まで、同じ名前だったのは魚と、サンドイッチくらいだ

いや、サンドイッチは同じと言って良いか分からないが…

とりあえず、野菜がサンドされている状態としては同じだった

なので、ミナミは普通に卵と牛乳で話を返していたが

こちらの名前が別にある事も考えられる

そうなると、全く分からないのだ


(コッコの肉…タンクの肉…みたいに分かりやすい名前だったら良いんだけどなぁ

…ぁ…でも、核とか毛皮、皮とかは同じ名前の事が多かったよな…

ブラウンボアとか…ボアって省略されてたけど…)


そう思いながら、再び視線を掲示板に戻す

しかし、残念ながら、コッコの核や皮…タンクの核や皮の依頼は出ていなかった


「…ないな…(てか、コッコの皮って、むしろ肉にそのままくっついてんじゃね?)」

「…ま、良いだろ、どーせお前、適当に色々採集するだろ?

帰って来てから、その中から依頼達成できるのもあるかもだろ」

「…あ、それもそーだ」


キョウヤに言われて気が付いたユウキ

そう、初めにドロップ品の情報が無くても

帰って来た時に依頼があれば良いのだ

まぁ、勿論分かっていて、事前に受けていた方が

依頼が無くなっている…という可能性はなくなるが

分からない今は、仕方ないだろう


「んじゃ、この4件受けるか…

それで、ボックス寄ってから出発な」

「フリーマーケットか…

でも、今日お前生産品持ってるのか?」

「いや、持って無いけど、在庫状況が知りたい

んで、足りなかったら、今日材料採集して、午後くらいから生産活動しても良いかな」


そんな話をしながら、受付のお姉さんに依頼を渡して依頼を受ける

今日も知らない人だったが

その辺は、もう気にしない事にした

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