今夜の献立

「それより、何が釣れたの??」


サラッと話題転換をするミナミ

ユウキもこの話を引きずるつもりは無いので「えーっと」と言いながら

インベントリの中を探る


「とりあえず、タタイが5匹だろ…それからユアが5匹…モサンが5匹

んで、バサバが7匹…ジーアが3匹…ナギが4匹…メーマが3匹…」

「ちょっとユウキちゃん!!?」

「んぁ?」

「何匹釣ったの!!?」


ドンドン出てくる魚に、ミナミは思わず口をはさむ

一方、ユウキは特に驚く事は無く

出した魚を数えていき…


「合計32匹だな」

「数えたら分かるよ!!!

じゃなくて、釣れ過ぎじゃない!!?」

「ん~…そうなのか?」


今日が初めての釣りだったので、ユウキにはこれが釣れ過ぎかが分からない

まぁ、ミナミも釣りはした事は無いが、持っている知識が異常だと言っているのだ


「何時間釣りしてたの?」

「ん~…面倒な人に巻き込まれて、魔獣と戦って…ボス討伐して…

何やかんやあって…結局釣り出来たん…9時間くらいかなぁ…?」

「普通9時間なら良くて18匹くらいなんだけど…」

「……へ…へぇ…そうなんだ…」


ユウキは数の違いに思わず目を逸らす


「餌が良いのかな…普通は、半分の確率でゴミが釣れるか…

魚がかかっても逃げられる事もあるんだけど…」

「…まぁ、僕魔力の純度高いからな…餌には良いよね」

「………はぁ…やっぱり色々とユウキちゃんオカシイよね!

まぁでも…魔力の純度が高いなら、納得かなぁ…

魚にとっても魔獣にとっても…ユウキちゃんの魔力は

超高級なご飯って所だね…そんなもの、引き上げられるからって

手放したくないよね…まぁ、手ないけどさ…」

「そうだね…どっちかっていうと、口を離さない…って感じかな…」

「そりゃ沢山釣れるよね…」

「ハハハ…とりあえず、数匹使ってさ…夕飯刺身にしよう!!」


キラキラした目でミナミに言うユウキ

その行動で、刺身が好物であるという事は簡単に分かるので…


「(切るだけで簡単なんだけど…まいっか…)それじゃあ、今日はお刺身だね」

「ヤッタ!」

「とりあえず…ナギは刺身には向かないから片付けておいて…」


ミナミはナギを保管庫に片付ける

ユウキも、ナギを刺身で食べるつもりは無かったのか

異論はないようで、その様子を眺めていた


「とりあえず、タタイと…モサンかな…

ユアは塩焼きにしたいし…バサバは…生で食べて大丈夫かな…」

「あぁ…向こうの世界じゃサバにはアニサキスがいたりすもんな…

美味しく食べて食中毒とか、嫌だしな…」

「そうなんだよねぇ…この世界でも、菌とかウィルスとかはいるし…

寄生虫がいたって不思議じゃないんだよねぇ…

はぁ…浄化の魔法が使えたら手っ取り早いんだけど…

ん~…お店で魚扱うなら、浄化の魔石買って来とかないとダメだねぇ」

「ぇ…僕、浄化の魔法使えるよ?」

「ユウキちゃんがいない時に、魚仕入れる可能性もあるでしょ」

「じゃあ、僕の新しいスキルで、浄化の魔法をペーストしたら…」

「私の適正に浄化が無いから、魔力の消費が激しいんだよ…」

「ぁ…」


自分は全部の適正があるため忘れていたが、自分の適性に無い属性を使うには

かなり魔力を持っていかれるのだ

魔石を使えば適正が無くとも消費MP1で済むのだから

そちらが良いに決まっているだろう

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