命中した所

「食べ終わる前に片付けてやる!」


パンッとキングクーラの頭に一発の銃弾が撃ち込まれる


「ぇ…う…そ…だろ…」


予想外の事にユウキは驚きを隠せない

そんな事とは関係なく、未だモリモリと魔力を食べ続けるキングクーラに

今度は矢の雨が降る


「この武器どんだけ補正されてるんだ…?俺の攻撃で50も効果が出るとか…」


矢の雨を降らせた張本人、アレンは驚きながら次の攻撃準備に入る


「っ…(僕が攻撃しなきゃ、勝てないんだから…しっかりしろ!)」

「早くお前も攻撃しろよ…200ダメージ通ってんだから、手数増やせよ」

「分かってる!」


そう言ってユウキは再びキングクーラに狙いを定める


(…何で400いかなかったんだ…?威力は抑えてねぇから…

っ!?狙う場所が問題か!)


何かを閃いたらしいユウキは狙いを頭からズラし

一生懸命食べている口付近を狙う


(2本の触手が邪魔だけど…それごと貫いてやる…

無理なら、触手を負傷させれたら万々歳…)


パンパンッと立て続けに打ち込む

ギィィィィィというキングクーラの叫び声ともとれる声が響き渡る

先程は何事も無かったかのように食事をしていたのに

今回は反応が違った

ドスンッと手のように使っていた2本の触手が地面に力なく横たわる


「350が2回って…お前、ホントオカシイな」

「大分失礼な事言うね(今のは触手に当たったダメージかな…?)」

「ホントの事だろ、補助魔法もかけてなくて、それとか…」

「コレが僕の普通なの」

「はいはい…その調子でどんどんいくぞ」


再びアレンの矢の雨

そして、ユウキの銃

立て続けに攻撃を加え、750のダメージを与える事に成功した


(何で…コイツ反撃してこねぇんだ…?)


ふと思った疑問

先程のアレンの話を聞く限り、攻撃してくるのは確実だった

だから、どんな攻撃なのかを事前に聞いて

それに備えていたのに、まさかの無抵抗


(僕の魔力食べてるからって…生命の危機だろ!?

普通食べるのやめて、反撃しないと!!)


不利な、こちらとしては有り難いが、何やら不気味でもある

普通の事をしない…という事は

何か理由でもあるのだろうか


(とりあえず、コイツの残りのHPも半分以下だし…

早く片付けて釣りしよ)


完全に釣りへと思考がシフトチェンジしたユウキ

触手が無くなった事で狙いやすくなった口に向けて連続射撃をする

そして、それは狙い通り口へ…


「はっ!!?」

「嘘だろ…」


口に届く前に2本の触手に防がれる

そのため、また350という数字が二回表示される

しかし、今2人にとって重要なのは数字じゃない


「何で!?あの触手、さっきまで動かなかったじゃん!?」

「お前の攻撃受けて負傷してるように見えたが…

何か、治ってたように見えたけど…」

「…う~ん…もう一回、弾が当たって…結局元の状態って感じだけど…」


防御に使った2本の触手は、先程と同じように力なく横たわっていた

しかし、何故先程まで使えない状態だったのに使えたのか…

という疑問は晴れぬまま…


ドゴンッ!!!


「うわぁ…スゲー威力だな…」

「俺、スゲー不安だわ…」


動かない触手を横目でに、無傷な触手の攻撃よける

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