釘を刺されました…

「それでは、今回載せる情報ですが

 金塊の総量…そして、そこ場所の危険性

 あと、キングブラウンボアの単独討伐と、ユウキ君とキョウヤ君の加護持ち…

 の3つの内容になると思います

 ステータス値に関しては載せません

 ちなみに、顔に関して載せる載せないは個人の自由ですが…?」


普通は載せますよ…みたいな表情でユウキを見るディアナ

ディアナもユウキが普通と違う事をよく分かっているので

あえて顔を載せるか確認している

まぁ、普通なら、取材側かわ言わなくても、自分で顔を載せてくれ…

と、頼むのが一般的なのだが


「いや、載せたら面倒だろ…

 色々騒がれるのは、性に合わないんだよね」

「俺も遠慮する

 無駄に、周りで煩くされんのは嫌いだ」

「そう言うと思いました

 それでは、今回顔は載せないようにしますね

 あと、キングブラウンボアの単独討伐に関しては、ギルドの方に情報を頂きますね」

「まぁ、その辺は任せるよ

 何を伝えれば信憑性があるかとか、僕分からないし」


仲間と倒したものを単独…と言って売り込みに来る奴も考えられないわけではない

情報を扱う所としては、キチンとした確証を得てから載せたいのだろう

その証明に関して、ユウキは全く知識が無いので

全てをディアナに丸投げした

それが、きっと正しい選択なのだ


「それでは、私達はこれで失礼します

 また、何かあった時は教えて下さいね!」


その言葉は、ユウキにザックリと刺さったのだった


(え…一々言いに行かないといけないのかよ…)


これからも言うつもりは無かったらしい

わざわざ、自分のした事を言いに行く…それはユウキには馴染みの無いものだった

だから、ココの世界が自分で功績を情報誌に伝える…と聞いても

特に言いに行く予定は無かった

今回は、たまたま情報誌の人と会ってしまったがために、取材を受けたが

別に功績が欲しいわけでもないので、言わずにいようと思っていたのだ

しかし、ディアナの方から釘を刺されてしまい

ユウキは引きつった笑みを浮かべるしか出来なかった


「そういえばさ…総重量って200キロって表記されるのかな?」


2人が店を出て、ハッと気付いたように、ミーシャが口を開く

確かに、記録を取ったのも200キロ分

話を何処から聞いていたかは分からないが

ユウキの持っている半分については触れていなかった


「ま、200キロも400キロもさして変わらんよ」

「「いや!変わるだろ!!!」」


かなりの大違いである

値段にするなら最低でも300万セレスの違いがある

ユウキの呑気な発言にキョウヤとシーヴァからツッコミが入る


「別に~…僕の持ってる分は売るつもりないし~

 良いんじゃないの?」

「お前、何言ってんだよ…あの場所が正式に公開されて人が取りにいけば

 その量がオカシイって分かるだろ!」

「…あの人達は僕が取り尽したって知らないだろ?

 別に、知らなくても問題は無いと思うけどなぁ…」


ユウキの言う事ももっともだ

取り尽した…と前置きをしていないのだ

採掘場に売った物以上にあったところで、だれもオカシイとは思わないし

というか、それが普通なのだ


「はぁ…まぁ、そうだけどよぉ…」


呆れて物が言えないようだ

シーヴァは頭に手を当て、そして諦めた


「ふふふ、ユウキ君なんだから、仕方ないわよ

 ところで、この後2人はどうするの?」

「ん~…僕は家に帰って生産活動かなぁ~」

「お前、ホントい何でもやるよな…

 何を作るつもりなんだ?」

「え~…それは秘密~♪」


ニヤニヤ笑いながら言うユウキにシーヴァは何となく予想する


(とりあえず、文房具とか作ってきそうだな…)


と…


(枝一杯あるし、木工スキル覚えるいいチャンスだよね!

 そのためには、木工に必要な物買わないとね!)


実際、その通りなのだが…

そして、薬系の生産も始めるのだろう


「俺は家に帰って休むわ

 一杯寝たけど、やっぱ疲れてるし…」

「そうか…じゃあ、ココで解散だな」

「何か分からない事があれば、私達ココに住んでるから

 いつでも来て下さいね」


そう言って、ミーシャはマップで自宅を示す

そこは、学校の近くにあり、迷わずに行けそうな場所だった


「了解!何かあったら行くよ」

「まぁ、出来るだけ、何も無い方が良いんだけどな」

「だいたい何とか出来るしな!」

((確かに…))


そんな会話をして、解散したのだった

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