この世界(キョウヤside)

「んじゃ、とりあえず500セレスやるから、街の中見てきなよ

 あ、そうそう、ラグーンのマップも渡しとく」


そう言うと、チビはウェストポーチに手を当てて

紙やら何やら出して寄越す

あれが、インベントリか…なるほど…


「あ、あぁサンキュ」

「ま、分からなくなったらココに戻れば大丈夫だから

 自分のペースで頑張れ~」


チビはマップに印をつけた

ココが自宅って事だな…地図があれば、迷っても何とかなるだろう


「お前は今からどーすんだよ…」

「僕?僕はそうだな…今からギルド行って依頼を受けるかな

 ついでに、採集して素材集めするか…

 今日はツルハシも斧もあるしな!

 鉱石も木材も手に入るぞ!」

「…そ、そうか…良かったな」


どんどんテンションが上がって、目をキラキラさせながら言うチビ

何が、そんなに楽しいんだ…

素材を集めて何になる…利益になるのだろうか…


「俺は、この街を見て、この世界の事を知らないとな」


真面目な話、コレは急務だ…


「そうだな、調べ物なら図書館がお勧めだよ」

「この世界でも図書館とかあるんだな」


意外だった…こういう所だと、本があるかどうかすらも危ういのでは…

と思っていたからだ


「いや、この世界図書館無いと困るよ

 レシピとかスキルとか!」

「そ、そうなのか…」


図書館の重要性を熱く語るチビ…

まぁ、何にするにしても、必要な施設って事だな

この世界の事も知れるし、今日にでも行ってみるか


「あと、一番の驚きは食事かな…500セシルあればだいたい食えるから」

「へぇ…どんな料理なんだ…」


やはり、こういう田舎っぽい場所では、ご飯が美味いのだろう

かなり期待できそうだ


「んじゃ、僕は行ってくるから!」

「あぁ、俺も行く」


出た瞬間に、俺の予想とかけ離れた世界だった時に困らないように

チビと一緒に出る事にした

…怖いわけじゃないぞ?用心のためだ!


「うわぁ…何かゲームの中みたいだな」


あまりゲームはしないが、数度やったRPGゲームでは

こんな風な街並みだったように思う

まぁ、雰囲気が似てるだけだろうが…


「というか、仕様で言うなら、ほぼゲームだな

 魔法あるし、ポーションとかもあるし、魔獣いるし!!」

「…何でどんどんテンションが上がるんだよ、それで…」

「え?上がらない?」

「楽に勝てるなら、テンションも上がるけど

 疲れるだけなら嫌だな」

「ふ~ん」


何で戦う事でテンション上がるんだか…

んな体使って、泥まみれになるなんて、絶対嫌だ

俺なら断固拒否だ


「ってかさ…ココの服のデザインって…」

「あ、やっぱり思った?」

「あぁ…」

「「センス微妙…」」


何だよ、このセンス…

Tシャツっぽいのと、ズボン…スカート、ワンピース

というラインナップ…柄という物はあまりないし

ただ着てるだけ…のような服を着て歩く人が多い

店員は何やら制服のようなものを着ているようだ

あれは、まぁ、この服の中ではセンスが良いと言えるだろう

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