住む所(キョウヤside)

「はっ…やっぱガキだな」

「いや、だから、キミも同じ歳だからな」


それは今であって、元の俺は25歳というれっきとした大人だ


「いーや、俺は元々25歳っていう大人だ!」

「奇遇だね、僕も25歳から14歳にされたんだよ」

「…マジかよ…」

「うん」

「…」


嘘…だろ…

こんなガキも、元は俺と同じ25歳とか…考えられねぇ…


「まぁ、とりあえず、座ったら?

 お互いの事全然知らないしさ~

 自己紹介でもしない?」

「あ…あぁ…」


お、俺としたことが、思わず思考が停止してしまった

とりあえず、チビが座っている椅子の前にある椅子に座る


「僕はユウキ・キハラ

 まぁ、そりゃ見りゃ分かるだろうけど

 ココに来て4日しか経ってない、この世界の超初心者だよ

 特技は3秒で寝る事かな」


いや、お前がここに来て4日目なのは良いとしても

超初心者なのは認めねぇ!!

ってか…何だ、その特技は!!?

まぁ、それは置いといて、相手が名乗ったんだ

俺も名乗らないと、失礼だろう…いくら相手がガキであっても


「俺は谷川…あぁ、ココではキョウヤ・タニガワか

 さっきこっちに来たばかりだ

 だから、何も知らない」


俺が何も知らないとか、ホントに屈辱でしかない…

教えてもらうなんて…最悪だ…


「だろうねぇ…まぁでも、森の中からスタートよりも

 ココからスタートなのは、まだ好待遇じゃね?」

「は?!森の中!!?

 この家、神様とか用意してくれたんじゃないのか!?」

「いんや、コレは僕が作った家だよ

 ココは魔力を使えば結構楽に、色んな事が出来るんだよ」


マジかよ…この家はカミサマがくれた、最低限の生活の保障じゃなかったのかよ

ってか、森スタートって何だよ…コイツマジで、何で今まで生きてきたの?

ていうか、魔力があれば色々楽だろうよ…

いや、そうであったとしても

初めての世界に来て4日で家持つとか、オカシイだろ


「魔力…そんな物が使えるんだな」

「ココは剣と魔法のファンタジーな世界だからね~

 科学的には進歩してないけど、結構快適に暮らせるよ」


まぁ、快適に暮らせるなら、良いだろう


「それで、キョウヤはこの後どーすんの?」

「どーするって…」


何を聞かれているのかがよく分からないが…


「家とかさ…ココでも構わないけど、嫌なら宿屋紹介するけど?」


あぁそうか、ココに住む気満々だったわ

このまま宿を紹介されてもな…宿代がかかるだろうし…

そうだな…同居相手が女なら遠慮する申し出だが…

俺達は幸いにも男同士だから問題ないか…


「そうだな、頼む」

「はーい」


とりあえず、これで衣食住の住の確保は出来たって事だな

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