時間
「ふぅ…本の整理終わりました~」
「えぇ!!?もう!?」
「は?」
「早すぎですよ…慣れた人でも、まだ半分くらいしか終わらない時間ですよ?
適当に入れてませんよね?」
「ちゃんと元の位置に戻してきたけど」
「えぇー…元の場所に戻してたら、もっと時間かかりますよ~」
そう言いながら、お姉さんはパソコンみたいな機械を操作する
ユウキはどうする事も出来ず、ただ黙って見守る
「えぇ!?…ホントに全部正しい場所に戻ってる!!?」
「だから、戻したって言いましたよね…」
「そんな、信じられないわ…どんなに慣れた人でも、もっと時間かかるもの」
「んな事言われても…って…あ…
もしかして、皆あのまんま戻してるのか?」
「??あのまんまとは…?」
「箱に入った順番のまま戻してるのか?」
「そうですよ、返却された順番に箱に詰めてますので」
その返答を聞いて、ため息をつきたくなった
何でそんな効率の悪い事をしているのやら…
「あの返却された順番に入った状態なら、確かに時間はかかると思いますよ」
「他に、どんな方法があるのよ?」
「…本を、ジャンルごとに初めに分けておくんです
そうする事で、例えば生活・一般ジャンルのある所で
6冊返却する本があったとしても、近場なのですぐに返却できます
何度もジャンルごとを行き来するのは、とても手間がかかると思います」
「へぇ~!そんなやり方があるのね…今度試してみるわ」
(何で、誰も思いつかないのか不思議でしかないけどね…ホント…)
「じゃ、依頼達成の証明を出すわね」
お姉さんはそう言うと、1枚のカードをユウキに差し出した
そこには「依頼達成」と簡潔に書かれていた
「ありがとうございます
ココって、何時まで利用できますか?」
「えっとねぇ…あそこに時計があるでしょ?」
「え?時計??」
ユウキは、時計という存在をココに来てから見た事が無いので結構驚いた
お姉さんが指さす方を見てみると、そこには丸い何かがあった
「今が、丁度昼の30時でしょ?」
「は?!30時!!?」
ユウキは時計と言われた物を凝視した
そこには1~30の数字が書かれており
短針と長針が、丁度真上を指していた
(ちょっと待て…時間の勉強から始めないといけない感じか…)
文字が違って、文字を覚えないといけないかも…とは思ったが
書類を見ていると、普通の日本語だし
喋っているのも、普通に日本語だ
なので、覚えると言ったら、この世界の一般常識やら
魔法や攻撃スキルといったところを考えていたユウキ
まさか、時間の長さが全然違うとは予想していなかったのだ
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