第4話 交易都市パラダイ②



誘われてライリーが入った店内は人で埋め尽くされていた。背中に大剣を背負った者もいれば、銃や弓を装備している者も居る。皆テーブルに座り、酒や食べ物を口に運びながら大声で喋っていた。


「すごい数だろう?こいつらはみんな私が仕事を依頼したやつらさ。仕事の報酬を話したらほぼ全員食いついてきたよ。ふふふ。」


女亭主は嬉しそうに話を進めた。


「で、そろそろ教えてもらおうか。」

ライリーはビールを飲み干すとジョッキを机に置いた。



「おっと!そうだったね!じゃあここいらでもう一度、店の連中にも再確認ってことで説明タイムにはいろうかねえ!」


女亭主はカウンターの机によじ登り、拡声器を取り出し説明を始めた。




「お前たち!!もう一度仕事の内容を説明するから耳の穴かっぽじって聞きな!!!」


店内が静まり返る。


「期限は1週間!1週間でこのパラダイから東にある、紅の洞窟から紅蓮石を持ち帰ってきてほしいのさ!洞窟には化け物がでるって噂もあるけどね〜、、、、、紅蓮石を持ち帰ってきてくれたら報酬として200万出すよ!!」



おおおお!

おっしゃぁああ!

やってやるぜぇ!

女将!絶対だぜ!



店内は男達の気合いの入った叫びで震えていた。


「石拾いで200万とはな、、ぼろ儲けだぜこりゃ!やるしかねぇな、」

ライリーもその中で大声をあげていた。





「全く品がないですね。これだからレジスタンスにも所属してない低俗な奴らは。」


金髪で細身、右手には金色の手甲、歳はライリーと同じくらいかそれより下。

その男は1人テーブルで、ワインを飲みながら小さい声で呟いた。




「あ?なんだと?もういっぺん言ってみろよ!」


近くのテーブルの髭面の男が怒りながら金髪の男の胸ぐらを掴んだ。


「品がないっていったんですよ。ヒゲもじゃブサイクさん。」


金髪の男は髭面の手を払いのけながらそう言った。


「て、てめぇ!面にでろ!てめぇみたいなのが1番ムカつくんだよ!紅の洞窟に行く前の準備運動でもしたいと思ってたんでな!!」


「はぁ。いいですよ。身の程知らずのブサイクさん。」



店の外。


2人は店の外で向かい合っていた。

周りにはギャラリーが大勢集まっていた。


「全く、うちの店の前で揉め事は起こさないでくれよ!せっかく仕事を依頼したってのに、頭数が減りでもしたら成功率が落ちちまうだろうが!」


女亭主は腕を組みながら溜息をついていた。

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