第一章 宇宙人研究同好会
第一話 宇宙人研究同好会
高校に入学して早3週間。
俺は高校生らしく、自転車で登校し授業をして自転車で帰る日常を送っていた。
高校の正門が見えてきた。俺は自転車から降りて、正門をくぐった。正門をくぐって少ししたら、俺の背中を叩き「よおっ」と言ってきたのはクラスメイトの河嶋だった。河嶋は高校に入ってから知り合い、結構気の合う奴だった。
俺は特に話す事が無かったので「おう」と返しただけだった。
河嶋は歩きだったので、先に昇降口へと向かって行った。自転車を高校の駐輪場へ留め昇降口に向かった。
一年生の教室があるA棟は昇降口から向かって左側にある。左に曲がると人が横に三人並ぶのが精一杯の広さの階段を登り三階へと向かった。
俺の教室は一年五組だから…まぁ遠いな。
教室へ付いて河嶋とこんな話題になった。
「今日の掃除お前どこ」
「えっと…」俺は教室の前の壁に貼ってある掃除場所と名前を確認する。
「うわっ…俺今週掃除当番じゃん…」
「え?何処の?」と聞いてくる河嶋。
「C棟の一階…文化部の部室があるところだな」
「そうか」と聞いてきた割にはそんなのどうでもいい口調で返してきた河嶋に俺は言葉を返し「大体お前が言わなきゃ俺は掃除場所を確認しないで済んでサボれたのに…」
「わりぃわりぃ…」少々怒り気味に言った俺に笑い気味で謝ってきた河嶋には少し腹がたった。
まぁこんなどこにでもあるなんの変哲も無い会話があの非日常への入り口的なものだったのだろうな…。
放課後…。仕方なくC棟へと向かった。 ま、別に家帰ってもすること無いしな。
しかも、今日に限ってC棟一階掃除のメンバーは俺を除いて全員休みというこの神の悪戯か悪魔の罠か知らんが、一人で掃除をしなければならなかった。真面目に掃除しなくて済むけど。
A棟・B棟・C棟を繋ぐ長い直線の渡り廊下を一人だるそうに歩いている時にふと思ったが、そういえばC棟一階には今まで用が無かったから行った事が無かった。文化部の部室があるらしいが、俺は部活動体験など行った事無いからな(中学のときから俺は帰宅部だった)。
C棟一階到着。
てっきり誰か居るのかと思っていやいや来たけど誰もいなかったから何故か安堵した。
階段から見て左側に廊下があり、各階に恐らく5,6教室くらいある。
掃除用具が廊下の隅にあったから、廊下を歩きついでにどんな部活があるのかを見た。
・美術部
・書道部
・文芸部
・空き教室
・宇宙人研究同好会 …は?
唖然とした。高校生になっても宇宙人の存在を信じる奴がいるとは…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます