第3話 8月中旬
彼女に話した通り、プライベートは好きに過ごさせてもらった。懐かしい友人と会ってリフレッシュしたり、抱えた問題を解決したり。その間彼女から一切の連絡も来なかった。
だけど、ある日の休憩時間。
一緒に入った店で、昼御飯が来る少し手前で告白された。
「あのね、私と一緒に未来を過ごす気ない?」
脈絡もない言葉に冗談で返した。
「例えば?そうだな……一緒に同棲しませんか?」
この言葉に、彼女の真顔さに冗談のように聞こえるそれが何か違うことに気がついた。
「そんな顔、しないでよ。困らせてごめん」
冗談だよとは一言も言わず、その後他愛ない話をしながら過ごした。
心に変なものを残しながら、日々を過ぎ捨てていた。
『君があの時もし、過ごすと言ってくれればここに書いていた手紙も内容が変わっていたけれど、本当に困った君の顔を見て間違えたって思った。
君に告白をしたあの日、ちょうど1週間を言い渡されたんだ。
泣くだけ泣いた、なるべくしたいことも済ませた。それでも、本当の想いなんて口にしなかった。これは、君の真似。言いたいことも思ったことも言わない君を見習って、声に、音にしなかった。』
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