第103話 戦闘能力
一人先頭に躍り出たピヨちゃんが戦う相手を探していると、
「ピヨちゃん、援護しようか?」
ピヨ、ピイヨ。
どうやら、援護は要らないようだ。LV的にはピヨちゃんが遅れを取る相手ではないので、回復用のアイテムを握りしめて、子供の勇姿を見守る親の役目を果たすとしよう。
「ピヨちゃーん。頑張ってなぁ。うちが応援しているから大丈夫!」
片羽根をあげて応えたピヨちゃんが、群がり来る
何度も魔王城攻略の際に、あの石化ブレスで苦汁を飲まされたことか。その石化ブレスが
最近、特に尻尾の大蛇が成長しているので、ベッド寝ていて油断すると頭を甘噛みされることがあるのだ。それが、たまに牙が刺さって流血の惨事を引き起こすのだが、ルシアとピヨちゃんに謝られると厳しくは言えない立場に追いやられているので、放置していた。けれど、尻尾の大蛇もやる時はやってくれたようで、猛毒のブレスで数十体の
ピヨ、ピピピヨ。ピピ。
ピヨちゃんが、半数ほどに減った
恐ろしいほどの破壊力を見せやがる。あんなくちばしで額を打ち抜かれて生き延びているオレの頭蓋骨はかなり丈夫にできているようだ。
目の前で、恐ろしいほど、正確に群がってくる
「さすがピヨちゃんだ。あれだけの
散乱した素材を回収しながら圧倒的な強さを見せたピヨちゃん近づいていくと、前方に見えた密林の中から黒い毛を纏った体高一〇メートルはある巨大な獅子が躍り出てきた。飛び出した黒い獅子はこの百獣平原での主と言われる存在であり、魔物LVも高いボス級の魔物であった。
「目的の
ピヨちゃんの救援に向かう前にハチやイルファ達に能力を向上させるポーションを飲ませていく。ビルダーである俺は戦闘員としては能力的に微妙になり始めており、回復アイテムや弱体化アイテムを使用して援護する方に回ることにした。
前衛は我が家の四天王の内の三人に任せておけば、盤石なのである。
飛び出してきた
グアアアアアァァ。
俺も援護するべく、盾を真銀の弓に持ちかえて、再び炎を吐き出そうとしている
ガァアアアア。
一方的な攻撃に曝された
それにしても、このボスも意外と強かったはずなのだが、今の俺達が強すぎるのか、ほとんどノーダメージだったな。こりゃあ、次の修練のダンジョンに向っても大丈夫だろうか……。
百獣平原の主を軽々と退治したことで、世界を崩壊から救うために必要なメンテナンス権が収められたダンジョンへ行くことも視野に入れることにしておいた。
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