第77話 パワーアップ
それから数週間が過ぎ、砂漠の奥地の魔物を狩り尽す勢いで戦った俺達は、装備ランクアップやレベルアップ、そして拠点となる屋敷の改築も順調に進んでいた。
まず、俺達のステータスだが、ハッキリ言ってタマのいた修練のダンジョンは表示レベルに比べて配置されるボスLVがおかしい仕様になっていると思われ、必死になってゲーム知識を動員し素材を集めていったのだ。
ツクル
種族:人族 年齢:23歳 職業:ビルダー ランク:一人前
LV30
攻撃力:120 防御力:120 魔力:60 素早さ:60 賢さ:60
総攻撃力:370 総防御力:900 総魔力:110 総魔防:360
解放レシピ数:550
装備 右手:星光の剣(攻:+250 魔力:+50) 左手:反射の盾(防:+150 魔防:+100 魔術攻撃反射) 上半身:真銀鎧(防:+230) 下半身:真銀グリーヴ(防:+150) 腕:真銀ガントレット(防:+150) 頭:真銀の面貌(防:+100) アクセサリ1:軽身の指輪(素早さ:+200) アクセサリ2:障壁の腕輪(防:+200 魔防:+200)
予備武器 木こり斧(攻:+30) 鎌(攻:+15) クワ(攻+10) 真銀のつるはし(攻:+20) スコップ(攻:+15) 連発弓(攻:+220) 真銀の矢(攻:+50)
と、まぁ俺はビルダーであるため戦技などを覚えられず攻撃力が不足しており、戦闘時には、皆の盾となったり、アイテムを使用して援護する役目を自然に担うことになっていた。なので、インベントリには回復系ポーションや各種状態異常に対応したアイテムが取り揃えられている。つまりは置物系主人公というわけだ。だが、しかたない。仕様上、ビルダーはモノづくり能力に特化しており、これでもまだマシな方であった。
続いては、我が神聖イクリプス帝国の主権者たるルシアたんのステータスの大公開だ。
ルシア・カバーサ
種族:妖狐族 年齢:18歳 職業:魔術師 ランク:一人前
LV35
攻撃力:70 防御力:70 魔力:140 素早さ:70 賢さ:140
総攻撃力:70 総防御力:370 総魔力:740 総魔防:510
使用魔術:火炎の矢(魔力:+10 火属性) 氷の矢(魔力:+10 氷属性) 鎌鼬(魔力:+20 風属性 空中の敵に二倍) 落雷(魔力:+50 雷属性) 地震(魔力:+30 地属性 空中の敵攻撃不可) 火球(魔力:+50 火属性 範囲攻撃) 氷霜(魔力:+50 氷属性 移動力低下) 瞬雷(魔力:+50 雷属性 麻痺付与) 暴風(魔力:+50 風属性 空中の敵に追加ダメージ) 激震(魔力:+50 地属性 転倒効果あり) 建造物破壊(魔力:+?? ??属性)炎属性付与(指定武器へ炎属性付与) 氷属性付与(指定武器へ氷属性付与) 雷属性付与(指定武器へ雷属性付与) 風属性付与(指定武器へ風属性付与) 地属性付与(指定武器へ地属性付与)
装備 右手:貴石の魔杖(魔力:+350 魔防:+120) 左手:神秘の宝珠(魔力+50 防:+100) 上半身:真銀の胸当て(防:+100) 下半身:真銀の草摺り(防:+100) 腕:貴石の手袋(防:+50 魔力:+50) 頭:宝石の冠(防:+50 魔防:+100) アクセサリ1:大金剛石のペンダント(真銀)(魔:+150 魔防:+150) アクセサリ2:軽身の指輪(素早さ:+200)
魔術師であるルシアには、手当たり次第に魔術書を読んでもらい、装備は彼女の大好きな宝石系の物で飾り立てている。おかげでキラキラと物理的にも眩しい存在になっているが、魔術の威力は半端なく強まっており、それなりに強いはずの砂漠の敵も消し炭にする強さになっていた。魔術系の援護要員だが、後述する愛騎の能力によりただの魔術師ではなくなっている。だが、相変わらずルシアの飯は美味いのであった。
続いては、我が帝国四天王の一角であるヘルハウンドのハチ君を紹介させてもらおう。
ハチ
種族:ヘルハウンド族 年齢:2歳 職業:魔物 ランク:一人前
LV30
攻撃力:180 防御力:120 魔力:120 素早さ:180 賢さ:120
総攻撃力:530 総防御力:370 総魔力:180 総魔防:120
特技:引っ掻き(攻:+5) 高速化(素早さ:+20 攻撃回数+1) 炎の息(攻+30 火属性三体) 神速化(素早さ:+50 攻撃回数+2) 引き裂く(攻:+50) 噛み砕く(攻:+70)
装備 右足:猛毒の鉤爪(攻:+200 毒付与) 左足:猛毒の鉤爪 胴体:真銀のベスト(防:+150) 頭:必勝の鉢金(防:+100 魔防:+50) アクセサリ1:狂犬の首輪(攻:+150 魔防:-50) アクセサリ2:軽身の指輪(素早さ:+200)
素早さが380を超え特技の神速化を使うと、400を超える素早さで敵を攪乱し、連続攻撃と毒付与&火属性攻撃しつつの高回避能力を持つという、敵として出てくるとかなり面倒臭い魔物に成長していた。また、身体も出会った時より一回り大きく成長し、その分敵発見の感知能力も高くなっており、優秀な斥候として魔物探しに活躍してくれていた。ただ、これだけ強くなって毎晩ルリの尻の下に敷かれるのは変わらず……。
続いて、ハチの女房で、我が帝国四天王であるフェンリルのルリちゃんも、ついでに紹介させてもらおう。
ルリ
種族:フェンリル族 年齢:2歳 職業:魔物 ランク:一人前
LV35
攻撃力:140 防御力:210 魔力:210 素早さ:140 賢さ:210
総攻撃力:140 総防御力:510 総魔力:540 総魔防:310
特技:氷の息(魔力:+10 氷属性) 氷槍(魔力:+5 氷属性 三体) 氷霜柱(魔力:+30 氷属性 範囲攻撃) 氷息吹(魔力:+40 氷属性 敵五体)
装備 右足:紫電の金鎖(魔:+200 魔防:+50 雷属性) 左足:紫電の金鎖 身体:フェンリルテイル(真銀)(防:+150 魔:+50) 頭:フェンリルクラウン(真銀)(防:+100 魔:+100) アクセサリ1:神秘のリボン(魔力+50 状態異常抵抗) アクセサリ2:誓いの首輪(防:+50 魔防:+50)
後衛の援護職を任せているが、基本はルシアに近づく魔物の完全排除を頼んである。後衛にしては物理防御が高いのでルシアのボディガードとして常時貼り付けて攻撃を身代わりしてもらうこともあった。魔術攻撃も氷属性のみだけだが威力に優れ、遠距離から鎖で敵を痺れさせて魔術でトドメというスタイルを貫いている。だが、最近身体の成長が著しいのはルシアの作るスイーツを食べ過ぎではなかろうかとも思う。
次は我が帝国四天王にして、風紀委員長であるコカトリスのピヨちゃんの秘密を大公開だ。
ピヨ
種族:コカトリス族 年齢:1歳 職業:魔物 ランク:一人前
LV30
攻撃力:320 防御力:120 魔力:60 素早さ:120 賢さ:60
総攻撃力:620 総防御力:270 総魔力:60 総魔防:260
特技:キック(攻:+5) くちばし(攻:+10 会心率上昇) 貫くくちばし(攻:+30 会心率上昇) 毒の息(攻:+20 範囲攻撃 毒付与) 石化の息(攻:+30 範囲攻撃 石化付与)
装備 右足:真銀の脚絆(攻:+150) 左足:真銀の脚絆 身体:貴石の騎乗鞍(防:+100 魔防:+50 騎乗者ダメージ身代わり) 頭:大紅玉のトサカ(防+50 魔防+150) アクセサリ1:七色の羽飾り(攻:+50 素早さ:+50) アクセサリ2:金剛石の嘴(攻:+100 会心率上昇)
風紀委員長であるピヨちゃんは、ルシアの乗騎として近づく魔物を蹴飛ばしたり、くちばしで貫いていたが、最近になり、ついに恐れていた毒ブレスと石化ブレスを覚えてしまった。その威力たるや、見ていた俺の肝がキュッと縮こまるような壮絶地獄であったが、屋敷内ではブレスを吐かない約束は守ってくれていた。成長したら見た目も変わるかと思ったが、少しも変わらずにひよこの姿のままであった。だが、攻撃力を増したくちばしはいつか必ず俺の額を貫いて脳みそを飛び散らかす気がしてならない。
続いて、我が帝国の四天王で最強生物である、おっぱい戦士イルファのご紹介もさせてもらうことにしよう。
イルファ・ベランザール
種族:竜人族 年齢:20歳 職業:戦士 ランク:一人前
LV35
攻撃力:350 防御力:350 魔力:70 素早さ:210 賢さ:210
総攻撃力:650 総防御力:980 総魔力:70 総魔防:310
戦技:螺旋突き(攻:+10) 旋風槍(攻:+20 範囲攻撃) 槍山連撃(攻:+50) 強靭化(防:+20) 限定竜化(攻:+50 防:+50 羽、尻尾の付与) 旋槍尾撃(攻:+50 範囲攻撃 要限定竜化)
装備 右手:龍鱗の大身槍(攻:+300) 左手:龍鱗の大身槍 上半身:真銀鎧(防:+230) 下半身:真銀のグリーヴ(防:+150) 腕:真銀のガントレット(防:+150) 頭:真銀の面貌(防:+100) アクセサリ1:軽身の腕輪(素早さ:+200) アクセサリ2:翡翠の指輪(魔防:+100)
最強生物である竜人族の持つ、竜化能力を限定的とはいえ手に入れたイルファは、おっぱい戦士からガチタンク、いや素早さも兼ね備えた万能アタッカーとして我が帝国四天王筆頭にふさわしい強さと、固さと、おっぱいの大きさを持つにいたっていた。更におっぱいには、後述するタマという魔術オプションまで仕込み名実ともに万能戦士感を丸出しにしてきている。ただ、毎夜、キングサイズにパワーアップした俺のベッドで寝るのだけは止めないようで、注意しようにも絶大な防御力と攻撃力をチラつかせて拒否するので、いささか困った事態に陥っているのが実情であった。
最後に我が帝国のマスコットたるタマ先生のご紹介をしておかねばならない。
タマ
種族:妖猫族 年齢:232歳 職業:魔物 ランク:一人前
LV35
攻撃力:140 防御力:140 魔力:360 素早さ:140 賢さ:360
総攻撃力:140 総防御力:160 総魔力:560 総魔防:410
特技:火球(魔力+10 範囲攻撃) 大火球(魔力:+50 範囲攻撃) 治癒(切り傷の打撲からの回復) 解毒(毒からの回復) 魔術強化(魔力:+20) 魔防上昇(味方の魔防を+50)
装備 右足:黄金球(魔力:+200) 左足:黄金球 身体:レースの服(防:+10) 頭:レースの髪飾り(防:+10) アクセサリ1:反射の指輪(魔防+50 攻撃魔術反射) アクセサリ2:気力の首輪(魔力使用量低減)
イルファの魔術オプションとも言われ始めたタマ先生は、ガチタンクのイルファのおっぱいという聖域に隠れ潜み、顔を出しては攻撃魔術を反射したり、範囲魔術で周囲の敵を焼き払ったり、イルファを癒したりする役割を担っていた。敵としてこのコンビが出てきたら詰みゲー確実なチートコンビであることは間違いなく、我が帝国の最強にして最悪なコンビでもあった。ただ、修練のダンジョンの時のように巨大化はしないようで、今ではイルファが選んだレースのフリフリ服と髪飾りを装備して、完全にマスコット化されてしまった感があるタマ先生なのでした。
以上が、主たる我が神聖イクリプス帝国の主要メンバーの修行結果による成長報告である。
そして、帝国の領土たる屋敷の方も兎人族の活躍のお陰で食料の自給は確立され、ルシアの作る料理のレシピは飛躍的に充足されていた。余談だが修行中に多くのゴーレムを退治したことにより、『門番君シリーズ』は九号機までロールアウトし、全ての門番君に対し、強化装甲、出力アップ、遠距離武装追加、近接武器追加、索敵能力向上、対魔術防御付与といったハイスペック化を完了させ、屋敷の周囲に配備し、異常があった場合は、俺に対して連絡が入ると同時に自衛行動に移るようにプログラムした。
更に、城壁にも門番君と連動した自動巻き取り式バリスタ、連弩を設置し、敵を察知すると連動して射撃が開始されるように改築しておいた。庭園も拡張し、牧場側に近づこうとすれば地雷原により爆死するか、低木に隠して敷設した鉄条網に触れて感電死するハメになっている。
最近、野生の魔物が迂闊に我が家に近づいて黒焦げになったり、爆散したり、門番君に刺し貫かれたりして、朝起きて正門の前に行くと、門番君によって集められた魔物素材が山のようになっていることも多々あった。
こうして、数週間を費やして戦力の底上げと本拠地の戦闘力向上を図った俺達は、次の修練のダンジョンがある場所を目指して装備を整えることに成功していた。
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