第67話 ドキ! 水着だらけの混浴露天風呂 後編
「ツクルにーはん……ここがええのやろか? それともこっち?」
「ああぁ、ルシア君、ソコだ。そこがいいよ。もう少し強めで頼む。ああぁ!」
「ウフフ、ツクルにーはんの弱い所を見つけたわぁ。ここをこうすると、えろう気持ちええんやろね」
「はぅううん! ルシア君! そこはデリケートだから、優しく洗ってもらえると私としてはひじょーに助かるのだが……はぅんん、あぁああぁ」
「もう、ビクン、ビクンさせすぎやわぁ。そない、気持ちいいんですか?」
「いいれすぅ、いいのぉ、あぁぁあぁ」
ズビシュッ!!!
ルシアに足の裏を綺麗に洗ってもらっていたら、極楽から生還したピヨちゃんの嘴が俺の後頭部を痛撃してきた。
「いでぇええ!!」
「ピヨちゃん!? こ、これはツクルさんの足を綺麗に洗ってあげてるだけ。べ、別にそないにエッチなことちゃうますやろ」
ピヨ、ピピピ、ピヨ、ピピピ!!
ピヨちゃんは後頭部を貫かれてたんこぶができ、洗い場にうずくまっている俺を無視して、ルシアに身振り手振りを交えて何かを伝えていた。
「へぇー、なになに。ツクルにーはんが嫌がるピヨちゃんを無理矢理に裸にして、身体を洗うと称してエッチなマッサージをしてきはったの?」
ピヨ、ピピッピ!!
ズキズキと痛む後頭部を抑えてのたうち回りながら、ピヨちゃんとルシアの話を聞いていると、あらぬ嫌疑をかけられているようであった。
待てい! そこのフワモコ生物。いつ、俺が無理矢理に裸にした。というか、ピヨちゃんは最初から裸だろう。それに身体を洗う行為は合意の上で行ったはずだっ! なにゆえに俺が無理矢理にピヨちゃんを襲った風の話になっているのだ。
このまま、黙っているとセクハラ犯としてルシアに有罪判決を下されてしまう可能性があるので、反論することに決めた。
「待って! ピヨちゃんとは合意していた! ちゃんと事前に二人で身体を洗うことを合意してから洗ったんだ」
ピヨ、ピピピ、ピヨ!
「なになに、ツクルにーはんが気持ち良くなるマッサージがあるから、それもやってあげると言って、ぴよちゃんが嫌がるのを無視してマッサージしはったの?」
ルシアの疑惑の視線が俺を貫いていく。この視線はひじょーに心臓によろしくない。額からダラダラと溢れ出した汗が洗い場に滴となって垂れていく。
「ピ、ピヨちゃんも気持ちいいって言ってたじゃないか……」
ピヨ、ピピピ!
羽を腰に当てて胸を反らしたピヨちゃんが思いっきり首を左右に振っていた。
嘘だっ! あれだけビクン、ビクンしてたじゃないっすかぁーーーーーー!! あんた、鬼かぁ!!
「んんっ!! ツクルにーはん……ちょと、よろしいやろか?」
厳しい視線のルシアが手招きをしてくる。完全にピヨちゃんに施術したマッサージのことを怒っていらっしゃるようだ。マズい、完全にマズい状態だ。
「ツクルにーはん……うちは別に怒ってへんけどっ!! ピヨちゃんにやったことをうちに再現してもらいましょか!! そこでツクルにーはんが白か黒か決めさせてもらいます」
「は……はぁああっぁあぁぁl!! ルシアにマッサージ!?」
「そうです。状況を再現しないでツクルにーはんを怒るのは筋違いになりかねへんから、ツクルにーはんの行ったことをちゃんと確認してから怒ろうと思うんよ。さぁ、ピヨちゃんにした通りにやってください」
お怒りモードのルシアに俺が逆らえるわけもなく、期せずしてルシアとアワアワマッサージタイムに突入することになった。
「あっ、はい。じゃあ、こっちの椅子に座って」
ルシアの迫力に押されて、すごすごと洗い布と石鹸を手に持つと、泡立たせていく。洗い場の椅子に腰かけたルシアの後ろ側に回ると、優しく泡を塗りたくっていく。おもむろに視線を下に向けると、ルシアの双丘が純白の水着を押し上げて存在感を主張していた。
ファッーーーーー! ルシアたんのお胸さんはよう育っていらっしゃるっ! イルファのお胸さんもアレだが、ルシアたんのお胸さんも素敵!
カタカタと震える手で泡塗れになったルシアの背中のマッサージを始めることにした。
「あっん!?」
俺の手が触れると、ルシアが艶めかしい吐息とともにビクンと身体を震わせていく。おもわず、身体が前かがみになってしまう。
「ル、ルシア君。別にイヤラシイことをしているわけじゃないだろうに……」
「そ、そうですよね。ひゃぅんっ!」
手が触れる度にビクン、ビクンと反応するルシアを見ていると、男の本能がドンドンと刺激されていってしまう。そして、もっと気持ち良くなってもらいたいとの欲求が湧き上がってきた時、形の良いルシアのお尻から生えたモフモフの尻尾が視界に飛び込んできた。
こ、これはチャンス……身体を洗うマッサージと称して合法的にルシアの尻尾を弄り倒すことができるではないか……今しかない。ここで引けば、後悔のみが残されてしまう。
「ル、ルシア君。実はピヨちゃんに行ったマッサージはルシアだと、尻尾に当たる箇所だと思われるんだ。どうだろう、確認してもらうために尻尾もマッサージしていいだろうか?」
「え!? あっ、はい。ちゃんと、『確認』せなあかんですやろ……『確認』のためならしゃーないです。その、やさしくして下さいね」
尻尾を俺に触らせるのが恥ずかしいのか、ルシアは顔を両手で覆って隠してしまっていた。
ファッーーーー!! かわいいよっ! かわいい! 恥ずかしがるルシアたんも実にそそるのだよっ!!
そして、禁断のモフモフ尻尾にお湯をかけて洗い布で泡立てた泡を塗りたくっていく。泡に塗れた尻尾をソフトタッチでマッサージしていくことにした。
フニ、フニ。
「あぅん……あきまへん……ツクルにーはん……ああぁ……刺激がぁ……」
「ルシアはここがええのんか? ここか?」
声が漏れそうになるのを我慢するようにルシアが手を口に当てていた。その姿を見ると、グッとくるものがある。しかし、俺はルシアの尻尾をマッサージするのに夢中になりすぎて、エロ脳検知器ともいうべきピヨちゃんの存在を忘れ去ってしまっていた。
弛緩した顔でルシアの尻尾をマッサージしていた俺の前に地獄の業火をまとったような雰囲気を発したピヨちゃんが立ち尽くし、羽でポンポンと肩を叩いてきた。
「今忙しいんだけど!?」
ピヨちゃんの方に顔を向けると、日の光を鈍く反射した黄色いくちばしが俺の額に向けて急降下してくるのが見えた。
ズビシュっ!
「あんぎゃーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
地獄の業火をまとったピヨちゃんからの会心の一撃を喰らった俺は、その場に倒れ込んで気絶してしまった。
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