第14話 製錬炉とプレゼント作り
鉱石掘りや夕食の食材と調味料調達を兼ねた魔物狩りを終えて、小屋にたどり着くと、ちょうど日没となっていた。我が家に帰りつき門をくぐると、木の扉には
一方、ルシアはゲットした食材を手に先に小屋に戻ると、夕食の調理を始めていた。
この間に明日の作業で使う道具を作成しておくか……それに例のプレゼントも作らないといけないからなぁ。よし、早速始めよう。
まず最初に取りかかったのは、【製錬炉】の作成だ。コレが無いと鉱石の製錬ができない。製錬というのは、鉱石を還元することで金属を取り出すことで、鉱石が金属塊として生成されるようになる道具だった。
その道具を作成するため、屋外に設置してあった焚き火に近づくとメニューを開いて【製錬炉】を構成するための重要素材である【レンガ】を作成する。
【レンガ】……高温に耐えられるレンガ 消費素材 粘土:1 砂礫:2
この二種類の素材は、鉱石掘りの際に大量にストックしてあるので、連続作成して大量に【レンガ】を生成していく。そして、【レンガ】の連続生成が終わると、石の作業台のメニューから【製錬炉】を選択する。
【製錬炉】……鉱石類を製錬できる炉 消費素材 レンガ:20 石炭:20
【石炭】も鉱石掘りの際に鉱石類と一緒に採掘されていて、ストックされていたので、【製錬炉】を作成する。
ボフッ!
生成された【製錬炉】は二メートル四方の大きさがあったので、作業台の近くの地面に飛び出していた。すぐにインベントリにしまいこむと、崖の近くまで持っていき、邪魔にならない場所に設置することにした。
「よし、これで鉄と銅を溶かすことができるなぁ」
【製錬炉】を設置したところで小屋の中からルシアの作る夕食の美味しそうな匂いが漂ってきている。だいぶ、お腹が空いてきているが、もう一仕事が残っている。
設置した【製錬炉】のメニューから製錬する金属を選ぶことにした。
【鉄のインゴット】……鉄鉱石を製錬した金属塊 消費素材 鉄鋼石:2 石炭:1
【銅のインゴット】……銅鉱石を製錬した金属塊 消費素材 銅鉱石:2 石炭:1
両方の金属はともに大量に使うことになるので、【石炭】がある分だけ、連続製錬していった。かなりの量がストックできたが、色々と作っていく内にまた補充しなければならないと思う。
金属を手に入れたので、続いては【石の作業台】を【鉄の作業台】にバージョンアップさせることにした。この作業台はバージョンアップさせることで作成できる武器・道具類が増えるようになっている。互換性を持っているので、【石の作業台】で作成できたものは【鉄の作業台】でも作成できるのであった。
【鉄の作業台】……鉄製武器・道具が製造可能 消費素材 鉄のインゴット:5 銅のインゴット:3 木材:5
目的の【鉄の作業台】を作成できるようになったので生成することにした。
ボフッ!
バージョンアップだったので、【石の作業台】のあった場所に、【鉄の作業台】が置き換わるように発生していた。
「よしよし、これで開墾道具や裁縫道具、皮なめしなんかもできるようになるから、色々と忙しくなるぞ……この小屋も改造計画も立てないとな」
完成した【鉄の作業台】を眺めて、我が家改造計画の妄想に耽り一人でニヤケていると、小屋からルシアが顔を出して夕食ができたことを告げていた。
「ツクルにーはん~! 夕食の準備ができましたよ~。冷めへんうちにおこしやす~!」
「ああ、もうすぐ行くよ」
夕食を食べる前にサプライズプレゼント用のペンダントの作成に取りかかる。【鉄の作業台】のメニュー欄から、アクセサリ類を選ぶ。
【ルビーのペンダント(銅)】……魔力+5 魔防+5 付属効果:火属性魔術の魔力+5 消費素材 ルビー:1 銅のインゴット:1
魔術師のルシアが喜んでくれるであろうと思われるプレゼントに、おもわず顔がニンマリとほころんでしまう。
だが、あまりルシアを待たせると呼びに来てしまうかもしれなかったので、すぐさま【ルビーの首飾り(銅)】を作成することにした。
ボフッ!
「おおぉ。意外とこじゃれた感じのペンダントになったなぁ。ルシアが付けると更に胸元に目線が集中しちゃうかも……まぁ、でも絶対に似合うよね……」
生成された【ルビーのペンダント(銅)】は涙滴型の銅の台座に親指の爪程度の大きさのルビーがあしらわれたシンプルなタイプのペンダントだったが、俺的世界一の美少女であるルシアが付ければ、彼女の魅力が更に光り輝くと思われた。
出来栄えに納得すると、作業台の上にあった【ルビーのペンダント(銅)】を手に取り、ポケットにしまいこんで、ルシアの待つ小屋へと走っていった。
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