第206話 話袋:副長と補佐官③――前編
エルはフェイル=グリア=アーネストと相性が良いと自分で思っている。
さすが師団長をやっていただけあって人の上に立つことに慣れているし、自分の動くことを理解してフォローしてくれる。
若干22歳ながらにして大国リライトの近衛騎士団副長を務める自分に対して、説教を普通にするところも凄い。
通常ならば縮こまるところだ。
だからこそ、やはり好ましい人物であるとエルは感じる。
そんな二人は今、団長の執務室にいた。
「名代として他国のパーティーに出るユウト様の護衛を?」
命令として出されたことをエルは聞き返す。
「ああ、そうだ」
団長は額に手を当て、困ったとばかりの様相だ。
「トラスティ公爵が対応しなければならない案件があり、パーティーへ行けなくなった。そこで名代として選ばれたのがユウトだ」
まあ、確かに筋は通る。
他国向けには、優斗はマルスの義息子。
故に名代とするには分からなくはない。
能力的にも申し分ない。
彼も義息子として、嫌な顔一つせずに頷いている。
「普通の公爵なら近衛騎士で十分だとは思うが、向かうのはユウトだ。だからこそお前ら二人を付ける」
とはいえ彼は一般とは画している。
ただの少年じゃない。
「ユウトはあの歳にして如才なく、誰であろうと完璧な対応をする。が、それでも大魔法士だ。存在を知っている者がいれば、余計なことがあるかもしれない」
だからこそ、この二人を付ける。
「フォローをよろしく頼む」
団長室を出たフェイルは先程の命令を思い返す。
「ふむ。我々が護衛ということになるのか」
「ユウト様ともなれば、それも致し方ないかと思います。さすがユウト様です」
「……どこに“さすが”があった、エル殿」
あの話し方では、とりあえずトラブル起こると思うからフォローしろ、と言っているようなものだ。
「しかし……」
若干、難しい顔をするフェイル。
「どうしたのですか?」
「コーラルの隣国とは少々、気が重い」
そう、優斗が向かう国はフェイルがいたコーラルの隣。
「他国の人間を集めてのパーティー。近い故、おそらく幾人か知り合いが来ているだろうと思うとな」
「なぜ?」
「このパーティーに参加するのはお偉い方だ。コーラルの……しかも騎士団のお偉い方に見つけられたら、変に因縁を付けられそうだ」
コーラルでは敵が多かった。
その敵がおそらくはいるだろう。
だからこそ、気が重くなるというもの。
けれどエルはどこ吹く風とばかりに告げる。
「問題ありません。貴方はリライトの騎士です。貴方を侮辱するということは、我々リライトの騎士を侮辱するということ。私が黙ってはいません」
というかその場に遭遇したら、ほとんどの騎士が黙らない。
彼を慕っている人が多いからだ。
「だから安心して職務に励みましょう」
気軽に言ってくれるエル。
フェイルも表情を崩した。
「ああ、そうだな」
とはいえ、だ。
二人は一つだけ失念している。
おそらくは世界で最も厄介な人物も彼を慕っていることを。
◇ ◇
――数日後。
「リライト王国トラスティ公爵名代――ユウト=フィーア=ミヤガワです」
パーティースーツを着ている優斗が受け付けを終え、フェイルと副長を伴って会場へと歩く。
途中、付いてくる二人に振り向き、
「普段は近衛騎士団の制服しか見ていませんが、どちらもお似合いですよ。場所に見合い、よく映えています」
服装を褒めた。
フェイルは優斗と同じようにスーツに身を包んでおり、副長は青いドレスを着ていた。
どちらも普段は見ない服装なので、優斗的にはかなり新鮮だ。
当然、聞いた片方はテンションをガタ上げし、
「ユ、ユウト様……っ! い、今のお言葉をもう一度――」
「エル殿。ネジを抜くなと言ったろう」
瞬間、ポコっとフェイルから頭を叩かれた。
けれど副長としては納得いかない。
「し、しかしフェイル。ユウト様より賜った言葉なのですよ?」
それだけでテンションが上がる。
だが、
「エル殿がポンコツになった瞬間、ユウトの株ががた落ちすると思え」
少なくともこの場において、副長が“あれ”になってしまったら連れてきた優斗の株は下がるだろう。
それに気付いたのか、いきなりエルは表情をキリっとさせた。
「そう、それでいい」
フェイルが僅かに笑む。
優斗も二人の様子を見て表情を崩した。
「良いコンビですね」
マルス本人が来ていたら、幾人か話し掛けてきたりもするだろう。
しかし名代として来ている優斗は、この場において知り合いはほとんどいない。
後ろに控えているうち、片方はとても有名人なのだがドレス姿がレアなのか気付かれている様子もない。
なのでパーティーの様子を見ながらゆったりとしていたが、
「あれ、ユウト君かい?」
聞き覚えのある声に話し掛けられた。
声の出所を見れば、
「……カイアス?」
フィオナの従兄、カイアスがいた。
彼は妻を伴って歩み寄ってくる。
「今日はどうしたんだい? 君がいるとは驚いたよ」
「義父さんの名代で来ることになったんだ」
「そうなのかい。フィオナは?」
「パーティーに華を添える必要はないと思ってね」
洒落っ気を出した優斗の返答に、カイアスも苦笑する。
「後ろの二人は護衛かい?」
「うん。リライト近衛騎士団の人達」
優斗が紹介すると、二人は小さく頭を下げた。
と、ここで優斗はカイアスへと耳を寄せる。
「ごめん、ちょっと確認なんだけど……ウィルは?」
「このパーティーに出るのは無理だよ。私が父の代理として来ているのだから」
「ならいいけど、もし存在したら即行で帰して」
「……どういうことだい?」
「僕の護衛にいる片割れが件の人」
優斗の話を聞いて、カイアスはちらりとフェイルに視線を向ける。
「…………そうかい」
「ウィルがいる可能性はほとんどないと思うけど、一応は伝えておく」
「分かったよ」
カイアスは頷くと、話題を変えようと笑みを向ける。
「しかしユウト君。こちらの麗しい女性も近衛騎士なのかい?」
凛とした佇まいに青のドレスはよく映える。
とてもじゃないが、騎士には見えない。
「この人、近衛騎士団の副長だからね。正直、僕の護衛と言うには身に余るよ」
カイアスが驚きの表情をさせたと同時にエルが反論しようとするが、フェイルの視線に気付いて自重する。
「けどカイアス、そんなことを言っていいの? ルカさんが怒るんじゃない?」
「大丈夫だよ、ユウト君。私はルカを愛しているからね」
何て言うもんだが、すぐ隣にいる妻は半目だ。
しばらくカイアスと談笑したあと、再び優斗は一人となる。
時折、副長やフェイルと会話しながらパーティー会場を見ている時だった。
護衛の一人の身体が僅かに強張った。
「どうかしましたか?」
「……元妻だ」
フェイルの視線の先にいる女性を優斗も確認する。
大勢の男性に囲まれていた。
どうやってパーティーに参加してきたのかは知らないが、まあ誰かの付き添いというのが妥当だろう。
「ウィルはいないようですね」
そこだけはほっとした
だが念のため優斗は護衛の一人にお願いをする。
「副長。念のためにフェイルさんと腕を組んでください。パーティーに出るような組み方で構いません。ただ、絶対に離さないで下さい」
頼んだことにエルは首肯一つ。
すると若干、フェイルが狼狽えた。
「ユ、ユウト。俺は別に元妻に対して、どうこうしようとは思っていない」
「そんなことは分かっていますよ。ただ、馬鹿がいる可能性を捨てきれないので」
エルならば、もし僅かな可能性にぶち当たっても取りなしてくれるだろう。
「フェイルさん。その手があるということを忘れないで下さい。そして絶対的に知って下さい」
優斗は目は真っ直ぐに騎士を見据える。
「貴方はもう、リライトにとって居なくてはならない存在なんです」
「だ、だがな。俺はまだ日が浅く――」
「僕が尊敬していて、副長の手綱を握れるんです。日が浅いとか関係ありません」
たったそれだけで価値がある。
正直に伝えた言葉にフェイルがぽかん、とした。
「……いや、まあ、確かにユウトとエル殿はリライトでも重要人物ではあるし、そうなの……か?」
「そうなんです」
断言する優斗。
その時、パーティーに沿わない大声が会場に響いた。
「隣国がそのようなことでは、あまり信頼はできませんな」
嘲るような物言い。
どうやら初老の男性が下卑た笑みを浮かべて、中年の男性を罵っているようだ。
周囲の雰囲気が一気に悪くなる。
と、同時にフェイルの表情が今度は呆れた。
「お知り合いですか?」
「俺と同じ師団長だったデント卿だ。俺の敵だったと断言できる人物だな」
やたら敵が多かったフェイル。
何人かは来てるかもしれないと思っていたが、やっぱりいた。
「正直な感想で申し訳ないですが、碌でもないですね」
「いや、違いない」
「っていうかあの人、なんで剣を持ってるんですか?」
なぜか脇には無駄すぎるほど華美な剣が差してある。
「過剰に装飾されているだろう? あれはコーラル王に承ったものだ。おそらく自慢したいのか誇示したいんだろう」
「あんな剣、戦いには使えませんよ。しかもパーティー会場に剣を持って入るだなんて無粋ですね」
呆れるほかない。
むしろ、よくパーティーを主催をした者も許したものだ。
いや、許したのではなく押し通されただけかもしれないが。
すると偶然、デント卿の視線がこちらに向いた。
そしてフェイルを視線に入れると嗤った。
彼は近くにいるフェイルの元妻に声を掛けると、彼女も似た表情を浮かべる。
「来ますね」
優斗が息を吐いて身構える。
フェイルは僅かに緊張を匂わせたが、エルが少し強く手を引いた。
彼女の存在に気付いて、強張った身体から緊張が抜けていく。
しかしデント卿の第一声でフェイルは再び、身体が強張った。
「これはこれは、先日に離婚したばかりかコーラルから逃げたフェイルではないか」
下品としか思えない笑みで彼らは近付いてくる。
優斗は二人の視線からフェイルを遮るように立った。
「お初にお目に掛かります。リライト王国トラスティ公爵名代、ユウト=フィーア=ミヤガワと申します。そちらは?」
笑みを貼り付けて尋ねる。
デント卿と元妻は彼の存在に気付くと、一応は礼儀ばかりの挨拶を返した。
けれど優斗に対してはそれだけで、フェイルのすぐ側にいる女性の存在に視線を向ける。
「ほう、リライト近衛騎士団の副長がこのような場に出てくるとは」
デント卿はエルの存在を知っているのか、にたにたとした笑いを続ける。
そして、
「リライトは寛容ですな。このような若い女性を副長の座に置くなど、コーラルでは考えられない出来事だ」
とことん馬鹿にした暴言を放ってきた。
歳上だから馬鹿にできると思っているのか、それとも自分のほうが上だと勘違いしているのか。
兎にも角にも蔑む目線だった。
なので優斗にも軽くスイッチが入る。
「リライトはコーラルと違って、純粋な実力主義ですから」
愛想笑いを浮かべたまま、けれど的確に引っ掛かる言い方をした。
「……若造は年長者へ口の利き方も知らないのか?」
「いいえ、分かっているつもりです」
つまりお前に口の利き方を考える必要は無い、と言っているようにも感じる。
「このようなガキを名代とするとは。リライトの公爵も何を考えているのか理解に苦しむな」
そしてデント卿はそう取ったようだ。
同時に優斗の姿で隠れているフェイルへ、
「まあ、名代の若造にはお前如きが似合いということか」
ばっちりと悪態を突くのも忘れない。
なので優斗のキレレベルも上がる。
愛想笑いから僅かに貶しているような雰囲気が増えた。
「年を取ると目だけではなく頭も耄碌しはじめるのですね。病院へは行かれましたか? おそらく脳の機能が低下されてますよ」
あまりにも世間話のように言われたので、デント卿も反応が遅れる。
けれど意味を咀嚼した瞬間、一気に沸騰した。
「侮辱しているのか!」
「では貴方が私の護衛を侮辱していないとでも?」
優斗はあくまで余裕を持った様子で応対する。
何をほざいているのだろうか、この耄碌爺は。
「先程、貴方自身が発した言葉を侮辱と思えないようでは、コーラル騎士団とは取るに足らない者しかおられないようですね。さすがは最低レベルの騎士団のお偉い方。噂に違わぬ体たらくです。尊敬と敬意を以て戦うことを矜持とする騎士の風上には、とてもじゃありませんが置けない。フェイルさんを見習ってほしいものですね」
優斗がフェイルを持ち上げると、今度は元妻がありえないとばかりの表情になった。
「どこを見習えって? ただの堅物なだけじゃない。私にはほんと、不相応だったわ」
「……ただの堅物、ですか」
すると副長が反応した。
彼の元妻だというのに、こんなことも分からないのかと若干苛立った。
「いいえ、彼の性格は堅物ではなく礼儀正しい。リライトでは美徳とされる性格です」
そして掛けている手の力を少し強めた。
仲の良さを見せつけるように。
さらには優斗が、
「貴女は確かに美しいでしょう。ですが奥底から鈍い輝きを放つ宝石ほど、醜悪なものはない」
見た目は一応、美しい。
けれど中身が論外だ。
あまりにも醜すぎる。
「どれだけ装ったところで安物ですね」
鼻で笑う。
フェイルの元妻らしいが、だからこそ優斗は気に掛けない。
あの彼を苦しませたというだけで馬鹿にするには十分過ぎる理由だ。
「世間を知らないガキがよく言うわ」
元妻はまだ二十歳にすらなっていない少年に馬鹿にされ、大層苛立ったみたいだった。
加えて暴言を吐く先はエルにも向く。
「貴女、リライト騎士団? の副長だか何だか知らないけど、所詮は美を追究できないから騎士になっただけでしょう?」
女の追及すべきものを破棄している。
美しさを求められないから、代わりとなるものを求めた。
元妻はまるでそれが事実だと言わんばかりに断言する。
「女ですらないわね」
そして嘲笑。
あまりにもその姿は似合いすぎていて、優斗はふと「お局ってこんな感じなんだろうな」と内心思った。
なので、
「リライト近衛騎士団副長の彼女は実力、性格共に世界各国の王族や上位貴族からトップクラスで認められています。世界の中で素晴らしい知名度を誇っている女性に対して、貴女の言葉はあまりにも惨めに映る」
ただの妬みにしか聞こえてこない。
「まあ、薄い化粧でも華やかさを醸し出している女性と、まるで絵画のような厚い化粧で下品な装いの女性。世間一般の男性がどちらを好ましく思うかアンケートを採るなら、おそらくは前者でしょうね」
正直、フェイルの元妻もそれほど厚化粧なわけではないが、優斗は平然と言ってのける。
あくまで馬鹿にする為に言っているからだ。
「貴女にフェイルさんはもったいない」
「ふざけないで! 私はこんな男の妻であることが嫌だったわ。先が見えず、能力もない人なんてね!」
「……先が見えず、能力もない?」
優斗は一瞬、考えるような仕草をした。
けれどすぐに合点がいく。
「ふふっ、なるほど。そのように思われていたのですか」
あまりにも面白くて笑い声が漏れてしまった。
「な、何が可笑しいの!?」
「貴女はフェイル=グリア=アーネストを過小評価しているようですね」
優斗はまるで分かっていない、とばかりに首を横に振った。
同時、周囲の喧噪も静かになる。
視線が集まっているのはすでに承知している。
本来なら適当にいなしてゆっくりしているほうがいいのだろうが、言わないと気が済まなかった。
「彼はリライトで、すでに騎士の模範として周囲から高い評価と尊敬を受けています。さらには6将魔法士である『天下無双』マルク・フォレスターからも一目を置かれており、孫の婿にどうかと勧められたりなど男性としても魅力がある方です」
あのマルクの合格ラインを考えれば、まず候補に入れられるだけで大したものだ。
だからこそ言える。
フェイルは本当に素晴らしい、と。
そしてもう一つ。
「つまり全く評価していないのは年功序列に加えて無駄な足の引っ張り合いに定評があるコーラル騎士団。加えて貴女」
彼を評価しないということは、要するにそういうことだ。
むしろコーラルでさえ師団長に登り詰めた素晴らしさをどうして理解しようとしないのだろうか。
「実力者であり、人格者として認められている者をくだらないと仰るとは。大層な方々ですね」
同時、本当に嬉しそうな笑みを見せつける。
「リライトとしては、とても感謝しております。彼のような騎士を得ることができて。気付いておられないとは思いませんが、トラスティ公爵の名代たる私が彼を護衛として連れてきたということだけで、彼の素晴らしさの一端ぐらいは証明になっているでしょう」
どれほど若造だろうと子供だろうと、優斗は公爵の名代。
一般の兵士に護衛をさせられるはずもない。
けれどデント卿は一蹴した。
「そのようなくだらん堅物を騎士にするなど、リライトはくだらぬ国だ」
吐き捨てるように言う。
「……くだらない?」
しかし、その発言は駄目だった。
人間の否定だけではなく、騎士団の否定だけでもなく、国も否定した。
優斗のキレレベルがもう一つ上がる。
フェイルもエルもデント卿の発言には苛立ったが、それ以上に前に立っている人物から溢れる険呑な気配を察して止めようとした……のだが、
「ユウ――」
「ちょ、ちょっと待――」
「ほう。貴方は我が王がフェイル=グリア=アーネストを騎士に叙任したことは間違いだった、と。そう仰ったのですか?」
けれど遅かった。
優斗が完全に相手を見据える。
「であるのならば、今の発言は捨て置けません」
相手は完全に喧嘩を売ってきた。
だったら買うまでだ。
「我が王が誇りとする騎士の名誉を傷つけた無礼、どうしてくれましょうか」
「ま、待て。俺なら大丈夫だ」
慌てて仲裁しようとするフェイル。
けれどもう、どうしようもない。
まだ通常モードの優斗ではあるし雰囲気も大魔法士モードに比べれば全然軽いが、容赦しないという点では後者に傾いている。
「フェイルさん。これは貴方だけの問題ではありません。すでにリライト騎士団……いや、私にとっては貴方を護衛とするに問題ないと判断したトラスティ家の名誉にも関わる」
特に優斗にとってはトラスティ家の名誉に関わったことで、退く気は毛頭ない。
堂々と真っ直ぐに言い放つ。
「撤回していただこうか、デント卿。リライト王国公爵家トラスティが護衛に問題ないと信頼し、我が王が任ずるに値すると認めた騎士へ侮辱の言葉を並べたことを」
過去、これほどまでにデント卿へ一歩も退かずに立ち向かった人間はそうそういない。
優斗の後ろにいるフェイル以外は。
だからこそデント卿は苛立った。
「この、若造が……っ!」
睨み付けるデント卿に対して優斗はあくまで態度を崩さない。
「それとも名ばかりの騎士には、すべきことさえ理解できませんか?」
「ほざくな若造!!」
デント卿の怒声が響いた。
彼は優斗に近付き、無駄に華美な剣を抜き放って差し向ける。
だが、
「戯れはそこまでとしてもらおう」
「ここがどこなのか、ご理解できていないのですね」
二人の護衛が優斗の前に立った。
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