江ノ島群青

20歳、夏。

7月に入って急激に暑くなった夏。

コンビニで買ったレモンサワーを片手に江ノ島へと向かった。


片瀬江ノ島駅から5分ほど歩くと江ノ島弁天橋がある。


その橋を20分ほど歩くと江ノ島に着く。


途中から見えてくる島の全貌を前に、額には汗を、心には期待を弾ませて波ゆく通行人の足を逸らせた。


思えばこの橋を最後に歩いたのは小学生の夏休みだったか。

今では海の先、地平線を綺麗に見えるが、当時の僕は父親の肩に乗り、恐怖心と海の煌めきを感じていた。


片手に持つのは海より青いラムネ。

今思えばその青さも瓶の青さであることを僕は知っている。


あの青臭さほど見たものを多感的に受け止めてた時はないなと、今初めて知った。


子供の頃は40分をかけて歩いたこの橋は、そんな考え事に老けてる間に今の僕を江ノ島に降りさせた。


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