二歩目の風に吹かれて
春一番の風に吹かれた。
足を止めその風を体の全てで受け止める。
耳が震えた。
やや強めに吹くその風は肌を撫で、どこか不思議と懐かしく感じさせ
この風に一体どこで吹かれたのかと思い馳せるも
ただ懐かしいという感覚だけが肌に残り褪せ
しかし風はやがてまたこの身を撫でるのだろうと思い
僕はまた歩き始めた。
淀みない春風であった。
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