第4話 狼の碧空と赤ずきんの紗楽
人狼に担がれたまましばらくすると、何やら異臭が漂ってきました。
辺りには死体が転がっていて、中には腐敗して目玉が取れているものやどろどろに溶けたものなどもあります。
そしてその死体の山を抜けると大きな木の根本に辿り着きました。
紗楽「……ここは?」
碧空「俺の寝床だ」
紗楽「大きな木…ここで寝てるの?」
碧空「あぁ、いつもこの木の上で寝ている」
紗楽「そうだ、あなたの名前は?」
碧空「名前…碧空だ、お前は?」
紗楽「私は紗楽、10歳なんだ!」
碧空「そうか…紗楽…いい名前だな」
紗楽「そうかな?ありがと!」
碧空「紗楽はなんであの家にいたんだ?」
紗楽「あのね〜、お母さんにおつかいを頼まれたの!」
碧空「そうなんだ、偉いね、ちゃんとお手伝いして」
人狼は赤ずきんの頭をそっと撫でてそう言う
紗楽「えへへ〜、ありがと」
赤ずきんは嬉しそうに笑って答える
紗楽「あ、お兄さんの年まだ聞いてないな〜」
紗楽「何歳なの?」
碧空「年か…数えてないから分かんないけど…多分15位くらいかな」
紗楽「じゃあ私より5つ年上なんだね!なんだかほんとにお兄ちゃんが出来たみたい!」
無邪気な笑顔で嬉しそうにそう言う
碧空「こんなお兄ちゃんでいいの?人狼のお兄ちゃんでも」
紗楽「いいよ!かっこいいもん!それに強そうだし…守ってくれそう!」
碧空「そっか…わかった、じゃあ俺は紗楽の事は絶対に守るよ」
紗楽「ほんとに!?やったぁ!じゃあこれからお兄ちゃんって呼ぶね!」
碧空「ふふっ、いいよ」
また頭を撫でてそう言う
紗楽「あ、そう言えばお兄ちゃんはなんであそこにいたの?」
碧空「それは…はぁ…今から少し大事なこと言うからよく聞いてね」
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