第8話 階段上がるのだあれ?

  実家は一階が居間と和室、台所、風呂場となっており、二階は、私と父、母の寝室になっている。

 多摩川の川沿いにあった借家住まいから、現在の実家に引っ越した頃の事である。母が寝ていると、階段を上がって二階にやってくる何かがいたんだそうだ。当然、父でも、私でもない。猫のみーちゃんでもない。

 家族の誰でもないものが階段を上がってくる。それが、毎晩のように続いたのだ。

 実家のある場所は、昔は馬場だったのだという。馬が化けて出るならわかるが、はたして馬は階段を登れるのだろうか。

 その現象は一年程続いたようだが、しばらくしてピタッと止んだという。

 怖くも何ともないが、そんなことがあった。




 

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