魔王の娘に転生しました

「世界の半分をお前にやろう」

目が覚めた私は、目の前で黒くてデカいイカツイ何かに告げられた。

「これは夢だ。」

私は二度寝を決め込んだ。

「あの、おーい…おきてくれよぉ!パパのお茶目だよぉ!」

ゆさゆさ

うぜぇ。


うたた寝ついでに現状を説明しよう。

ちょっぴりドSなただの人妻だった私は、財布を忘れて買い物に出て慌てて駆けてく途中で車に撥ねられてあっさりと死んだのであった。我ながらハードなラックとダンスっちまったぜ。私は、深いため息をついた。ここにバーボンのロックがあったら思わずグイっと飲んでいるところだ。


話が逸れてしまった。

肩が凝ったポーズをキメた露出度のやたら高い長髪のイケメソ(CV:諏訪部〇一)に「子猫ちゃん、俺のためにちょっと転生してきてよ」と背景に薔薇を飛ばされながら流し目で言われて卒倒しそうになっていたところで意識が薄れ、気が付いたらここに居たのだった。はー、泡噴くかと思った。きっとあれが神というやつなのだろうそうだろう。転生先についてはなんか説明してたような気もしたけど、アレ過ぎるキャラに圧倒されてしまって正直覚えていない。


説明は以上だ。


さて、この現状をどうしようか。


「さっきはすまんな。わしは『キャー、パパのエッチ!もうお嫁にいけない!!』と言ってこれからもずっとパパと一緒に暮らすと思っていたのだが…。」

大きな体(2m強)を丸めて涙目になりながら父がこっちを見てくる。

いや、今ので完全に吹っ切れたわ。

転生前も実家で同じようなことがあった気もするけど、それはここでは関係ない。

「パパ、私お嫁にいくから。」


「な、なんですとーーー!!!」

父が驚きのあまりエネルギー波を放出したのをその辺にいたスケルトン(おそらく従者)を盾にしてかわした私は「とりあえずお風呂入ってくるから部屋片づけといて。」と冷たく言い放ち、部屋を後にしたのだった。


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