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断罪の朝日
浩也君の部屋でお酒を飲んだ。
お互いに大きすぎる欠落を抱えきれず、何かその穴に埋める代わりを求め合っていた。一番近くにいた相手を選んだのは、きっと誰でもよかったからだ。脳の髄の髄までをグラスに沈められるまで、ぐでんぐでんに酔いを回して、そしてどちらからともなく、鈍ったふたつの思考は間違いを犯した。間違いだと自覚していながら止められなかった。歪んだ愛情と友情が、二人を縛り付けて離さなかった。
けだもののように肉欲を貪り尽くして、夜明けの星を見上げたときに、つうと涙が頬を伝った。すぐ隣で浩也君も泣いていた。
花夏はもういないのだ。
浩也君の恋人と私の親友は、居眠りトラックの轍の下に溶けて消えてしまったのだ。残された二人にぽっかり大きな穴を残して。
シーツを引き上げて涙を拭った。
やがて輝く星は消えて、朝日が二人の罪を洗い出した。
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