俺の友人達には問題がありすぎている件5

「何でここにいるんだよ!」


 顔に驚愕を残しながらも、重要な事なので二回言う。

 流音は暫し表情に疑問をうかべていたが、やがて大きなため息を吐いて呆れたように


「何でここにいるかだって?そんなの決まっているじゃない」

「決まっている?何が決まっているんだ?」

「あなたが呼び出したんでしょうが!」

「は?何言ってるんだ?こんなところに呼び出した覚えはないぞ」

 楽斗は意味が分からないよと真顔になって、記憶を遡ったが、やはりこんなところに呼んだ覚えなどなかった。

 

 きっと流音は漢字を読み間違えたんだ、と、結論付ける。

 そうじゃなければありえない。断言できる。根拠と言うか理由は、楽斗は確かに『校門』に皆を呼んだはずだからだ。それはさっき記憶を遡って確認した。

 きっと疲れがたまって文字が読めなくなったしまったのだな。


「な、何よ、その哀れなものを見ているような目は!━━━って、今なんで私の肩を叩いたの!?え、何その表情、突っ込みきれないわ!」


 うがー、と、頭を抱える流音るね

 楽斗はそんな流音を暖かい眼で見つめながら、片手間に携帯を開いた。

 どうやら校舎を確認している間にもメールが届いていたらしい。流音合わせてメールを送った計六人全員から返信がきていた。


(最新の返信は三分前で姉さんのか。━━━って、なんだこの量!?このメール送ったのって十分くらい前だったよな。

 は?じゃあ何で姉さんからメール108件も来てるの!?まさか一分の間に十五回以上もメールを送ったっていうのか!?なんだその異常な速さは!メール送りって部門があったらギネス狙えるんじゃないか!)


 と、数を見て驚いた楽斗だったが、そのあまりの数にメールは空文字なのではないかという疑問が浮上した。


 ......試しに1件開いてみるか。

 何気無く、適当中間を取るように開いたそのメールには予想通り文字が無く空メールだった━━━ら、よかったのにな。


 楽斗が半眼で見つめる先、つまりメールは闇で埋め尽くされていた。勿論それは言葉の比喩であって、実際には闇ではなく黒で埋め尽くされていたというのが正しいだろう。

 といっても完全な黒ではなく所々白も混じっているのだが。


「な、な、な......」

 思わず声が漏れてしまう。

 

 メールには溢れんばかりの、まるで呪詛のように淡々と文字がつづられていた。


(これ約七分の間に届けられた......ってことは約四秒の間に書いたのかよ。凄すぎだろ......)

 

 おそらく、数えてみてはないが、文字数は限界までいっているのだろう。文を考えずひたすら適当に文字を打ち込んでやったとしても四秒でこの量はエグいだろう。

 しかも、これの凄いところは、適当に打っても間に合わないぐらいの文字の量を、きちんとした文で送っているということだ。もはや化け物だな。


 楽斗は、未だに頭を抱えている流音を畏怖の目で見つめていた。

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