俺の友人達には問題がありすぎている件4
「━━━ってこんなことしてる場合じゃない。すぐさま学校に残っている生徒を排除しなければ!」
やけに物騒な考えだが、それも無理はない。圭子の放送を止めようにも既に放送室は鍵が閉められていて入ることが出来ず、結果止めることも出来ない。また、あくまで一般生徒である楽斗にはドアを壊すという発想はなかった。
だが、勝算はあふ。
剛がダメなら柔で倒せ。それが戦闘における教訓だ。
ドアをこじ開け圭子を押さえ放送をさせなくするのが剛の手段だとするならば、柔の手段は放送をさせなくするのではなく、放送を聞く人を居なくすること。
幸いにも今は放課後で、放送部は午後部活がないため、放送器具は片付けられているはず。いくら圭子でも放送準備が整えるのには時間がかかるだろう。
そう考えた楽斗は立ち上がり、携帯を触る。そして、校内に残っているだろう友人達に『校門に至急来てくれ』とメールを打ち、画面を切った。
瞬間、一斉にメール音が響く。おそらく友人達が返信したのだろう。これで奴等にバレるのは防げたはずだ。
楽斗はホッと息を吐きつつ、画面も見ないでそのまま他の生徒が校内に残っていないか確認しに廊下を走り出した。
「はぁはぁはぁ、いないな......」
息を荒げながら教室を確認した楽斗は独り言を呟く。
これでとりあえず校舎にある全ての教室を確認したはずだ、と、楽斗は腰を廊下の壁に掛けつつ、やりきったとはにかんだ。
「何気持ち悪い表情してんのよ......私の顔でそんな表情しないでくれる。私の品が落ちるじゃない」
不意に誰もいないことを確認したはずの校舎から、しかも楽斗の背後から、顔の良く似ている
(イヤイヤ、あいつは今校門にいるはずだろ。こんなところに居るわけがないだろ。聞き間違いに違いないな)
聞き覚えがある声に、肩をビクリと浮かせ、さっき友人達と共にメールを送った人物の顔を鮮明に思い浮かべた楽斗は、やれやれと自分の頭を叩きつつ苦笑した。
「何一人でコントしてるのよ。それと、いい加減こっち向きなさいよ」
(やっぱり聞き間違いじゃなかったぁぁぁあ!!!)
楽斗はギギギ、とロボットのように首を後ろに向けた。
「げっ!?おま......何でここに......」
そこには友人達と共に校門にいるはずの姉が居た。
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