第12話 2+3=5

「ではまず、自己紹介から」


 天体観測部としての最初の活動は、顔合わせを兼ねた復活記念パーティ!

 ……なんか、この間からお菓子を買い出しに行く機会が妙に多い気がするけど……楽しいから、いっか!


「星空すばるです。

 えっと、一応発起人、でいいのかな?

 なんだかんだあって天体観測部復活となりました。

 みんなありがとう! これからよろしくね!」


「えっと、すばると同じクラスの財津ざいつ真木まきです。

 なかなか部活が決まらなくてどうしようかな、って思ってた時に、HRですばるが突然勧誘初めて……。

 なんか面白くて乗っちゃいました!

 趣味はカメラと自転車で、休みの日は自転車に乗って写真を取りに行ったりしてるかな。

 最初は、写真部とか自転車部とかも考えたんだけど、ゆる~くやりたかったので、結構合ってるのかも。

 星の撮影はしたことないので、ちょっと楽しみです!」


「ほーい、そんでマキとは中学から一緒の箕田みのたかのんだよ~。

 シエスタ部がなくて困ってたんだけど、のんびりできそ~なので入りました~♪

 星は~~~~、あんまり詳しくないんだけど~、いいよね~?」


いずみ未来みく

 非っ常~~に! これ以上ないっくらいに残念なことに!

 この二人とは腐れ縁で中学の時から一緒です。

 私はこの部でなくてもよかったんですけど、二人がどうしても! って言うので、入ることにしました。

 あ!

 いえ、えっと。

 その、この部がイヤとかそういうんじゃなくてですね、なんというか……」


「えー? そんなこと言って。

 また3人一緒で嬉しい、って言ってたじゃない」

「ほ~んと、みくって素直じゃないんだから~~~。

 一緒じゃないと寂しい、って言ったっていいんだよ~~?」

「だ! 誰が! さ、寂しくなんてないわよ!!

 で、でも、ほら?

 私がいないと二人が寂しいだろうし?

 仕方なくよ! 仕方なく!!」


 ……うーん、面白い3人組をひろっt…じゃなかった、集まったなー。

 でも、なんだか楽しそうだし、3人組だからって他と壁を作るわけでもないし、楽しくやれそうかな。

「ふふふ、あなた達仲良しなのね」

 ケイ先輩も同じ感想を持ったみたいで、3人の話を聞きながらニコニコしていた。


「じゃあ、私からもいいかしら?

 冷水れいすいけいです。

 唯一の2年ってのもあって、部長をやることになったのでよろしくね。

 まぁ、多分知ってるかと思うけど生徒会の書記兼会計、と言う名の雑務全般もやってるので。

 時期によってはほとんど顔が出せなくなるかと思うのだけど、来れる時は顔を出す予定なので仲良くしてね。

 一応部長代理はすばるんにやってもらうつもりだけど、それでいいかしら?」

「いいと思います!」

「おっけ~で~す」

「順当なところかと」

「あ、えっと。

 何ができるかわからわからないけど、そういうことらしいのでよろしく!」

 ちょっと……だいぶ? 心配ではあるけど、ケイ先輩がついていてくれるから大丈夫だよね!


「とりあえず、せっかくお菓子の買い出しをしてもらったので、今日は発足記念パーティってことで楽しみましょう。

 ではでは、ジュースを持って……カンパーイ!」


『カンパーイ!!!』


 その後。

 良い感じに盛り上がった頃に、顧問として伊織音先生がやってきた。

「なんでお菓子代を出した人スポンサーが来るまでに全部食べちゃうかな!?

 少しは残しておけよなー」

と怒られたのでした……。


伊織音いおね先生ってこんな可愛い感じだったんですね」

「すばるん、こういうのはね。

 『可愛い』じゃなくて、『子供っぽい』っていうのよ」

「冷水? 聞こえてるぞ?」

「ふふふ、聞こえるように言ったんで大丈夫です」

「そういうの大丈夫って言わない!」

 ケイ先輩の手にかかると、先生ですら手のひらの上なんだなぁ……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る