第11話 部員募集!
「先生たちには根回ししておくから、頑張って部員集めてみなさい。
5人集まれば部活として認められるから」
「5人、ですか」
「そう。
私とすばるんがいるからとりあえず後は3人ね」
「後3人……。
はい、がんばってみます!」
「あ、そうそう。
騒動自体は大きなものじゃなかったから、知らない人も多いけど、それでも2,3年生の中には苦い思いした人もいるから、ちょっとだけ注意してね」
「はーい」
そう言われたものの。
そもそもうちの学校は部活必須だから、2,3年生はほぼ部活決まってるし、1年生メインでターゲットを考えたほうがよさそうかな。
だけど……。
うーん。
すでに学校が始まって1週間。
仮入部期間が1ヶ月だから、どうしても出遅れ感が強い。
生徒会室に置きっぱなしの荷物を取りに戻りながら、なにをしたらいいかな―? と考える。
オーソドックスにいくと、ポスター??
でも……
「……貼る隙間、ないな……」
途中にある掲示板を見てみたけど、びっっっっっしりポスターで埋まっていて、今から貼る隙間はとてもなさそう。
「そうね、ここはもう、無理じゃないかしら?」
ですよねー……。
じゃあ、ビラ配り……?
なんかそれも違う気がする。
というか、2,3年生のことを考えるとあんまり、か。
と、なると。
地道に声かけるしかないかー。
まだうちのクラスで、部活決まってない人っているのかな?
ガラガラッ
「おっかえりー、すばるちゃん」
「おかえり、おねえ」
生徒会室ではスミカ先輩となゆが待っていた。
「あら、なゆちゃんはともかく、スミカまでいたのね?」
「ともかく、ってなー。
一応心配してたんだよ?」
「ふふふ、そうね、ごめんなさい……いえ、ありがとう」
「どういたしまして」
心配……?
ああ、そうか。
すみか先輩も事情は知ってるんだ。
でも、話を聞く限りでは
ちょっと気になる。
……けど、さすがに聞けない。
「おねえ、どうだったの?」
「ああ、うん。なんか、すごかった!」
「……おねえ、それじゃわからない」
「うん、私もそう思う。
帰りながら話すよ」
「お母さんにはちょっと遅くなる、って電話しといた」
「おー! さっすがなゆ!」
「ふっふっふー」
なんて、ふざけてる間に帰らねば。
連絡してあるとはいえ、あんまり遅くなるとやっぱり怒られちゃうし!
翌日のお昼休み。
「ちょっと星空、いい?」
ご飯の準備をしていると、伊織音先生に呼ばれた。
「はーい? なんですかー?」
なんだろ? 怒ってる風じゃないけど……。
「天体観測部やるって聞いたけど、本当?」
「あ、はい。そのつもりですけど……」
どうして先生が知ってるんだろう?
「そうか……。
天体観測部な、私が顧問なんだよ」
え、えええ!?
「ホントですか!?」
「……嘘ついてどうする」
確かに。
「ですね! あ、えと、そしたら、よろしくお願いします!」
「はいはいよろしく。
部員、集めないとね」
「そうなんですよねーー」
昨日の帰り道になゆに相談してみたけど、そうそういいアイデアは浮かばなかった。
「とりあえず、今日の放課後のホームルームで少し時間取ろうか?」
「いいんですか!?」
「いいよ。
担任権限だ」
「わーい!」
なんというえこひいき! でも、うん、素敵!!
そんなこんなで。
伊織音先生の
「はい、すばるちゃん、おめでとう。
これをもって、生徒会は『天体観測部』の復活を認めます。
がんばってね!」
「ありがとうございます、ステラ先輩!」
無事書類も出し終わって(ほとんどステラ先輩が書いてくれたケド)、ついに天体観測部が復活した!
ちなみに。
部長はケイ先輩にお願いしちゃった。
入学したての私では、わからないことが多すぎて……。
ケイ先輩は快諾してくれたけども、
「生徒会の仕事が忙しい時はすばるんが代理でちゃんとやるのよ!」
との指令を受けてしまった。
が、がんばるっ!
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