第一話 新たな出会い?
人波を抜け校舎に入るとそこには外ほどの人はいなかった。多摩金高校は国内有数の進学校であり生徒はみな真面目そうな眼鏡をかけた根暗なやつが多いように感じた。小さいころからはしゃぐのが好きだったりょうたはこのような真面目そうな連中と仲良くなれる気がせずこの場にいることさえ辛かった。そんなりょうたの目の前に一人の少女が通りかかった。金髪で髪の長いその少女の後姿をりょうたはただ見つめていた。
自分の席に着くと斜め前にその女の子が座っていた。
“何かの運命に違いない”
そう思ったりょうたは精一杯の勇気を振り絞って
「あ...あの...」
と声をかけたときちょうど担任らしき人物が教室に入ってきた。
女の子はこちらを向いたが不思議そうな顔をしてから再び前へ向き直った。りょうたはやらかしてしまった。仲良くなりたい子からの第一印象が
「変な人」になってしまった。絶望の淵に立たされている僕に先生が
「はせがわ、何をしているんだ、ちゃんと席にすわれ」
といった。これは昔からの悪い癖で混乱すると意識が飛び理性が働かなくなるのだ。しかし今回はこれがいい方向に転がり、金髪の女の子のクスリと笑う顔が見れた。りょうたはそれだけですべてを忘れて幸せな気持ちになった。りょうた本人は気づいていないが彼は入学初日にして一目ぼれの恋をしてしまったのかもしれない。それからというもの、りょうたは先生の話そっちのけで金髪の子をずっと見ていた。
男子高校生 @nyoro0122
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